今夏でグループ結成9年目に突入した乃木坂46に変化の時が訪れている。2018年末に西野七瀬が卒業し、2019年に入ってからは衛藤美彩、伊藤かりん、斉藤優里がそれに続いた。9月1日には初代キャプテンの桜井玲香もグループを離れ、翌9月2日に秋元真夏が新キャプテンに就任するという大きなできごともあった。そんな中、秋元はレギュラーでMCを務めるバラエティ番組(「自慢したい人がいます~拝啓 ひねくれ3様~」毎週土曜夜10:30放送、テレビ東京系)を持つほか、今夏は舞台「サザエさん」で演技にも挑戦。さらに11月16日(土)からWOWOWプライムで放送されるドラマ「連続ドラマW 引き抜き屋~ヘッドハンターの流儀~」(毎週土曜夜10:00放送)では、単独でドラマレギュラー初出演を果たしている。自身の活動の幅を広げながら、大きな転換期を迎えた乃木坂46の新キャプテンとして今何を思うのか。多忙を極める彼女に女優としての活動や、キャプテン就任後の自身の変化、グループのこれからについて聞いた。
今回、秋元が出演するドラマ「引き抜き屋―」は雫井脩介の小説が原作。実父が経営する会社をクビになり、ヘッドハンターへと転身した鹿子小穂(かのこ・さほ)(松下奈緒)が、熾烈なビジネスの世界で“仕事とは何か”を見つめ直していく物語。秋元は小穂が所属するヘッドハンティング会社「フォルテフロース」の秘書・所美南(ところ・みなみ)を演じており、シリアスな場面が多い同社内でムードメーカー的な存在だ。
――今作はヘッドハンターという特殊な職業が題材になっていますが、作品に参加した率直な感想を教えてください。
フォルテフロースの敏腕ヘッドハンター・渡会花緒里(わたらい・かおり)(内田有紀)さんが、交渉を進めるための人脈作りとしてクラブで働いたりするんですよ。目的を果たすべく自分のテリトリーじゃないところに進んでいく姿は「仕事のために生きる人」っていう感じでカッコいいなと思いました。もしも私がヘッドハンターだったら、相手先とのせめぎあいの中でハラハラしちゃって先に進めないんじゃないかなって思うんです。
――今回はヘッドハンターではなく秘書役ですが、憧れていたんだとか?
そうなんですよ! 保健室の先生と秘書に憧れを抱いていまして(笑)。今回のお話をいただいたときに、秘書だからスーツを着た真面目な感じで、細かい作業や地味な作業をするのかなと思っていたんです。でも、服装は自由でミニスカートですし、自分のデスク周りに好きなものを置いていたりと「仕事さえできればあとは自由でいいでしょ」っていう性格の役だったので演じていて楽しかったです。美南は服をめちゃめちゃ持っているんですよ。時計もピアスも全部日ごとに替わります。メガネはデスクに何個か入っているんですけど、別に視力は悪くないんです。“仕事モード”になったら装着したりする感じなんです。
――秋元さんご自身は仕事によってスイッチを入れ替えたりしますか?
はい。ライブのリハーサルをするときは、見た目から入ろう!とか。実際はダンスが苦手なのに、ダンサーさんみたいなカッコいい服装を準備してからリハーサルに入ったりしています(笑)。
――ライブなどのアイドル活動と演技の仕事の間でもスイッチの入れ替えは必要になりそうですね。2019年は1月クールにドラマ「ザンビ」に出演し、夏に出演した舞台に続いて今作と演技の仕事が連続していますが“女優・秋元真夏”としての目覚めはありましたか?
今年に入って突然どうしちゃったんでしょうね(笑)。舞台期間やドラマの撮影が終わった今でも「本当に私で大丈夫ですか?」という気持ちです。2019年は演技以外で初めてのお仕事をいただく機会もありましたし、それこそ乃木坂のキャプテンに就任したりと色々ある中で「私でいいのかな?」っていう感覚はずっと心のどこかにありました。まだしっくりこないといいますか。
――女優業しかり、新キャプテンとしての注目度も高まっていますね。今作のサブタイトル「ヘッドハンターの流儀」にかけて、秋元真夏的“キャプテンの流儀”を教えてください。
乃木坂には、8年間グループを引っ張ってくれた桜井玲香が築いたキャプテン像があって、メンバーはそれにすごく馴染んでいます。玲香はしっかりしているんですけど、基本的にはポンコツだったので、みんなで支えてあげたくなるような“愛されキャプテン”でした。その空気感がメンバーにとって居心地良いものだったと思うんです。ですからそこは変えずに…というか、玲香から「真夏もなかなかのポンコツキャプテンになると思う」って言われました(笑)。なので、頑張らなくてもそうなっちゃうんだろうなという気はしているんですけどね。その空気感を保ちつつ、後輩たちがのびのびできて「自分たちが乃木坂を引っ張っていくぞ!」と思ってもらえるような、活動しやすい環境を作っていきたいですね。
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