「俳優という仕事について聞きたい」
――もし、身近に風太郎がいたらどんなことを相談してみたいですか?
う~ん、これは難しいなぁ…。僕にとって役者、俳優というのは仕事であり夢でもあるんです。その難しい狭間にいて、いろんな壁もある。“夢を捨てるべきなのか”それとも“仕事を捨てるべきなのか”。時代がどんどん変わっていく中で、役者の世界も昔と今では全然違うような気がしています。かつては現場で怒号が飛んだりして荒っぽいところもありましたけど、面白いものを作るという目標はみんな同じだったので、たとえ苦しいことが多かった現場でも最後は笑い合って終わることができたんです。
もちろん、その頃がよくて今が駄目だということではなくて。やっぱり役者や映画の世界って人間臭い場所であってほしいという思いがあるんです。今はいろんなことがシステム化されて、昔に比べたらとてもいい環境で芝居ができていると思うんですけど、そうやって変わり続けていく中でこのまま変わらずに夢を持っていていいのだろうか。もし、風太郎がいたら聞いてみたいですね。
――自分に「喝!」を入れたい時にすることはありますか?
1人になることでしょうか。何をする時も決めるのは自分。そのためには、どこかで自分の時間を持たないといけないのかなと思っています。作品に入っていると、周りが何も見えなくなるぐらい集中している時があるんです。それを途切らせてしまうのがもったいない。だから、その集中力を保つために自然と自分の世界に入っている感じです。
ライター=小池貴之
2019年11月1日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国順次ロードショー
出演:市原隼人、藤田富、工藤綾乃、二ノ宮隆太郎、木村知貴、藤代太一、吉岡そんれい、板野友美、鶴田真由、近藤芳正、麿赤兒
原作:本宮ひろ志『喝 風太郎‼』(集英社ヤングジャンプコミックスGJ刊)
監督:柴田啓佑(『あいが、そいで、こい』)
脚本:守口悠介
配給:SDP
製作:喝風太郎製作委員会