吉岡秀隆、“初恋”後藤久美子の変わらぬ美貌に「23年ぶりに、また恋をしました」
映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」のワールドプレミアが10月28日に行われ、山田洋次監督と倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、夏木マリ、浅丘ルリ子が登壇。久々の共演となった吉岡に、後藤がラブコールのような熱い感謝を伝え、吉岡も海外経験の長さを感じさせる後藤にしみじみする場面があった。
生誕50周年を迎える人気シリーズ「男はつらいよ」の22年ぶり、50作目の最新作となる本映画。新撮された“今”のファミリーと、4Kデジタル修復されたシリーズ映像が紡ぎ合って新たなる物語が誕生した。
小説家になった満男(吉岡)は、娘(桜田ひより)らと穏やかに暮らしつつ、たまに帰る実家では相変わらず旅に出ている伯父・寅次郎(渥美清)の話題で盛り上がっていた。そんな中、初恋の相手・泉(後藤)が日本に帰ってくる…。
大歓声の中でワールドプレミアが開催!
大きな拍手で迎えられた山田監督は「今から50年前の8月に1作目が出来ました。そのときは普通の映画として公開されましたから、まさか50年後にこうして新作を上映することになるとは…お目が高いお客さんでしたね」とあいさつ。
「50年かかって撮った作品である、それだけは自慢できます。奇跡と言われてびっくりしていますが、他にないのは確かです。僕がどんなに下手でもその年月の重みは伝わるのでは。長生きしていてよかった」と語った。
「この映画で社会、世間、演じることを学んだ」という倍賞は、「お兄ちゃん(=渥美)からもいろんなことを学んだけど、お芝居を教えてもらった記憶はありません。いつも『馬鹿だなぁ』と言われる立場だけど、人間として大切なことを教えてくれる人でした。いなくなっちゃったけど、撮影の間、どこかで見てくれるんじゃないかと思いながら撮影しました」と振り返る。
前田も「高い声とシャープなお芝居を思い出しながら撮影していました」と笑顔。倍賞と前田は「茶の間にバリアフリー用の手すりがついたり、この50年で茶の間も変わって…」と現実と劇中の時の流れにしみじみ。
通訳がいる状況に「どこで区切っていいのか分からない…(笑)」とはにかんだ吉岡は、「撮影は平成でしたが、気付けば令和になっていて、見てくれる方は令和で初めて寅さんに会える人たち。ずっと寅さんを探す旅をしていました」とあいさつ。
さらに、後藤が通訳につられて「ah huh…」としゃべりかけて慌ててやめると「かっこいいな~ そういうのな~!」と憧れのまなざしを送っていた。