中居正広「世界野球プレミア12」記憶に残るエピソードを熱く語る!
侍ジャパン公認サポートキャプテン・中居正広コメント
選手の皆さんが世界一を目指して頑張るので、僕は少しでもサポートできればと思っています。
僕の周りの女性でも野球選手の名前を知らない人も多いので、そんな女性を含めて子どもたちにも分かりやすいコメントができればいいなと思います。
試合中、僕は侍ジャパンのベンチの横のカメラ席にいます。2013年の「WBC台湾戦」で1点ビハインドの9回2アウトから鳥谷敬選手が盗塁したことがあったのですが、やばかったですね、あれは。
ギャンブルスタートはできないんじゃないかなと思った時に、鳥谷選手がリードしながら蹴る足元をすごく掘っていたんですよ。
いや、これ行かないだろうなと思っていて。あれ行くのかな、行かないだろこれは。行ってアウトになったらおしまいだと思いながら見ていました。
それで、走った時に「あっ、行った」って思わず言ったの。口で言いましたね。「行った」って。
それからはもう、鳥谷選手は二塁の方に走っていくわけですから、僕は後ろから見てましたけど。もう足だけを見てましたね。
もうセーフかアウトかも肉眼では分からないぐらい微妙な判定だったんですよ、あれはしびれましたね。
僕はマイクのスイッチをオンにして実況解説を聞きながら、カウントに余裕があるときにしかリポートを入れないようにしているんですけど、鳥谷選手が走る前の掘っていた時点で(リポートを)入れようか迷いましたね。
でも不確かなので、ただ掘っているだけかもしれないですし。相手のベンチ、ピッチャーにプレッシャーをかけるためだけにやっているかもしれないので。
これで鳥谷選手が走らなかったら自分の暴走的なリポートになってしまうので、そこはすごく迷いました。実況アナウンサーに「鳥谷がスタートするかもしれませんよ」って言おうかな、やめようかなと思ったけど、これは雰囲気のリポートだからだ駄目だなと思ったら、走ったんですよ。
今思い出してもドキドキしますね(その後、日本は井端弘和選手のタイムリーヒットで同点に追いつき、延長戦で勝利)。野球は何が起こるかわからない。一球で流れが変わりますし。
でも鳥谷選手に後々聞いたら、あれはサインでもないし、グリーンライトっていう「行けたら行け」「セーフになる自信があるなら行け」という状況。
もし自分があの場面で、アウトになったら終わりじゃないですか。あの勇気はないですね。だからやっぱり一流のプロ野球選手として、そういうメンタルを持ち合わせているのかなと思いましたね。
だってもうギリギリだもん。あんな自信ないよな。行けるって100%の自信ですよね。リポートする立場としては「100%こうですよ」っていうことじゃないと言えないですよね。
「こう思うんですよ」ってことは解説の方の仕事なので。僕はカメラに映っていないところ、オンエアで映らないところを伝えられたら。
だから(自分が)もう一つのカメラみたいな事かもしれないですよね。日本は過去2回のWBCでの優勝決定はアメリカだったので、今回はぜひ東京ドームで侍ジャパンの優勝シーンを見たいと思います。