葵わかな「海外と日本の良さをミックスさせた『アナスタシア』を作っていけたら」
「自分自身の性格は昔のままなのでベースは変わっていません」
――アーニャ(アナスタシア)はWキャストで、もう一人のアーニャは「ロミオ&ジュリエット」の時と同じく木下晴香さんですね。
お互いに出演が決まった時に「また一緒だね」とか「歌、難しそうだね」っていう話をしました。晴香ちゃんはすごく歌がうまいし才能があふれている女優さん。優しくてちょっと内気な感じがしますけど、負けん気が強い部分もあって。今回も同じ役を演じることになったのでとても楽しみです。
――役へのアプローチ、向き合い方に変化は?
自分自身の性格は昔のままなのでベースは変わっていません。ただ、役によって掘り下げ方が変わってきたのかなと。あえて何もしないということを選択する時もあります。
――分からない部分を残しておくということですか?
昔は、分からないということがものすごく嫌だったんです。自分がうまくできなかったり、悩みがあったりしたらそのままにしておけない。「何でできないんだろう?」というところから始まって、できないなりに自分で解決策を導きたいと思うタイプだったんです。例えば(手元にあったペットボトルの水を指して)この水は何からできていて原産地はどこなのか。気になったら調べちゃう(笑)。とにかく“分からない”“知らない”ということが嫌なんです。
――でも、最近は少し変わってきたんですね?
分からないことも「ま、いいか」って思えるようになりました。これは、最近演じた役が“分からない部分に魅力があるキャラクター”だったので、その影響かもしれません。以前の私だったら何が何でも分かろうとしたと思うんですけど、この役は掘り下げてしまったら面白くなくなってしまうということに気付いて。意図的に分からない部分を残しました。2018年から2019年にかけていろいろなことを経験したので、心に余裕ができたのかもしれません。ささやかな進歩です(笑)。
――上演はまだ先ですけど、意気込みをお願いします!
音楽や舞台装置、衣装など全てが海外規模の作品。東京は東急シアターオーブ、大阪は梅田芸術劇場なので、海外にミュージカルを見に行ったような雰囲気を味わっていただきたいです。その中で、日本人のキャストが演じる意味をどこかしら見つけてほしいですし、私たちも海外と日本の良さをミックスさせた「アナスタシア」を作っていけたらいいなと思っています。
――ちょっと気が早いですが、2019年“令和元年”も残すところ数カ月。振り返ってみてどんな1年でしたか?
2017年、2018年とずっと充実した時間を過ごさせてもらっています。2019年も仕事ではミュージカルをはじめ、ナレーションやMCなど、いろんなジャンルに挑戦することができました。発見がいっぱいあった1年で、自分の中でとてもいい時間を送ることができているなと実感しています。
取材・文=小池貴之
東京公演:2020年3月1日(日)~3月28日(土)東急シアターオーブ
大阪公演:2020年4月6日(月)~4月18日(土)梅田芸術劇場メインホール
出演=アーニャ役:葵わかな、木下晴香
ディミトリ役:海宝直人(東京公演のみ)、相葉裕樹、内海啓貴
グレブ役:山本耕史、堂珍嘉邦(CHEMISTRY)、遠山裕介
ヴラド役:大澄賢也、石川禅
リリー役:朝海ひかる、マルシア、堀内敬子
マリア皇太后役:麻実れい
公式HP=http://www.anastasia-japan2020.jp/
公式Twitter=@AnastasiaJapan