中村倫也、ミステリー愛好会会長役も「このサークル界隈の人とは友達になれないと思う」【<屍人荘の殺人>連載】
明智と羽村を一言で表すなら「残念」
――確かに明智たちが通う大学の生徒もそうですが、物語の主要舞台となるペンション“紫湛荘(しじんそう)”に集う人々はそれ以上に濃いキャラクターが大勢いましたね。
映画を見てくださる方が想像を膨らませることができるスキと遊び心の多いキャラクターがそろっていましたし、それを演じる役者さんも達者な方ばかりだったので、僕としては演じていて楽しかったです。もちろん、それが可能になったのは、演出された木村ひさし監督の豊かさにあると思いますけど。
――その木村監督の豊かさとは?
キャラクターにしろ、演じる俳優にしろ、本当に個性的な人たちばかりだったので、それこそ全員が全力でキャラクターを押し出してくる現場だったと思うんですよね。でも、その状況を一番楽しんでいたのが木村監督だったのではないかと。そして、それを許容できるところに監督の豊かさを感じました。
――ちなみに神木さんは明智と葉村の探偵コンビを「ポンコツ」という言葉で表現されていましたが、中村さんはこの二人をどう思われますか?
一言で表すなら、「残念」かな。たまに探偵事務所の仕事を手伝っているみたいだけど、このサークルは一体どこから活動資金をもらっているんでしょうね。
――では最後に、明智と葉村のように探偵コンビを組むならば、登場人物の中で誰を選びますか?
まず男がポンコツばかりですよね。多分、僕はこのサークル界隈の人とは友達になれないと思います。特に明智なんて超面倒くさい男とコンビを組むのは考えられない。なので、僕一人でいいです。
取材・文=馬場英美