生田斗真“満”のヘリクツにひそむ不思議な説得力「俺の話は長い」<試写室>
満のヘリクツは特殊能力!
満の話は、ヘリクツだと分かっていてもどこか説得力があって、「自分が間違っているのではないか」と思わせる不思議なパワーがある。
それが如実に出たのが、第4話。渡利から会社の中途採用試験があるから受けてみないかと勧められるも、働く気がないことをかたくなに主張した回だった。
「働く気のない人間に上から目線で働くことを強要して逆に恥ずかしいとは思わない?キミがやろうとしてることは動物園のライオンにおりから出て自分で獲物を獲ってこいって言ってるようなもんだよ?」「動物園のライオンは戦ってないように見えて野生のライオンより戦ってんの。客に笑われて指さされながら毎日夢と孤独のはざまで戦ってんだよ!」などと語る満に感化され、渡利までもが「会社を辞める」と言い出してしまうほどの説得力を発揮した。
自分を正当化するために、発想を転換する満の能力はすごい。無職でずっと家で暮らしていたら、独りよがりになってしまったり、自分が正しいと言い聞かせながら暮らしてしまう気持ちは少しばかり分かる気がする。
だけど多くの人は、外の世界に触れたとき、自分の考えが独りよがりで世間の考えとはズレていると分かったら、自信を失って一歩引いてしまうもの。
一方満は、どんなに世間とズレていようが、誰に対しても自信満々に持論を展開する。しかも例え話が秀逸。
今回も自分の立場をお掃除ロボット“ルンバ”に例えて話すシーンがあるのだが、「なるほど!確かにその通りだ!」と妙に納得してしまう。