12月5日(木)~9日(月)の5日間、東京・光が丘のIMAホールで公演されるミュージカル座公演「トラブルショー」に、俳優、歌手、モデルとして活躍する伊藤アルフが出演する。
「トラブルショー」は、新劇場のこけら落とし公演という晴れ舞台で、ミュージカルの作・演出を任された駆け出しの劇作家に襲いかかるトラブルの連続を描くコメディー。
ブッ飛んだキャラクターの登場人物、劇作家と演出助手が直面するスポンサーとのあつれき、稽古現場でのイザコザ、ありえないハプニングが連続する初日の混乱・・・そんな公演がなんとか成功にこぎつけるまでを、多彩なミュージカルナンバーと大人数による迫力のショーダンス、大爆笑シーンの連続で描く。
奇想天外だが、再演を繰り返す傑作ドタバタミュージカルにおいて、完璧主義の作曲家・リッキー吉野というクセのある役を務める伊藤に、通し稽古の行われたスタジオで話を聞いた。
――通し稽古は今日が初めてですか?
伊藤:いえ、粗通しのようなものがあって、今日で二回目ですね。稽古の感想は・・・一人トラブルショーでしたね(笑)。テンパりました。稽古が足りていないシーンもあって、自分の中で繋げていくことに必死でした。
――こだわりの強い作曲家という役だそうで。
伊藤:神経質なところがあったり。そこにだんだんとキャラクターが付け加えられていて、最初はただ几帳面なリッキーさんだったんですけど、具体的には伏せますが、そこにエッセンスを加えてみたらどうだと演出家に言われて、ちょっと特徴を加えてみたら、「そっちでいきましょう」ということになり、そのエッセンスをどんどん濃くして出せたらいいなとは思っています。
――紹介できることを教えてください。
伊藤:細かい男で、ちょっとヒステリックな人物なのかなと。演出家はそこまでじゃなくていいよって言うんですけど、僕が、結構作ってしまっていますね。ヒステリックがキイキイとうるさくならないように間引きながらですけど。役柄としては、僕自身とは真逆なところにいる人なので、逆に演じやすいです。僕の逆をやればいいのでね。
――モデルとして想定した作曲家の方がいたりはしますか?
伊藤:実は、この役には当てはまる人がいるらしく、この業界では有名な音楽監督さんがモデルだと言われています。
――その人のことを意識されましたか?
伊藤:その方と面識はあるのですが、キャラクターは異なる気がしますかね。この舞台の登場人物は、一人一人誰かモデルがいるらしいですよ。
――通し稽古を拝見して、一幕から二幕に進むにつれて、出番がぐんと増えたイメージでした。
伊藤:僕としては一幕の方がたくさんしゃべっている感じですけどね。人物紹介されるような場面もあるので、僕の中では一幕のほうが比重が大きい感じはします。
――今回の役でファンにとっても発見がありそうですか?
伊藤:リッキーさんのようなキャラクターの役を過去にもやったことはあるけど、さらにデフォルメされているような気がします。また、今回の作品で新しく挑戦していることもあるのですが、結構苦戦しています。そこは見てのお楽しみということで。
あと、劇中で僕の本名(アルフレッド)が連呼されるんです。その名前を聴くとザワザワするので、そのシーンの僕を注目していただくとよいかも(笑)。
――劇中劇の音楽担当者ということですので、この舞台の音楽の注目点を教えてください。
伊藤:全般的に音楽は素晴らしいのですが、特に「その名はせむしのギゴレット」が押しですね。スケール感があり、壮大な感じがしますし、勢いもある。人数の多い場面で流れるので勇ましい曲になっている。僕は一番好きですね。どの曲もキャッチーなので、ミュージカルをあまり見たことがない人もとっつきやすいと思います。
――音楽も大きな要素ですが、ダンスもすごいですよね。オープニングから圧倒されました。
伊藤:皆さんが衣装を着たらさらにすごい。3倍、4倍違ってくる。スケールアップすると思いますよ。
――今回は人気作の再演ということでプレッシャーはありますか?
伊藤:ほんとに人気の舞台なので、その名を汚しちゃいけないという思いはありますが、今回演じることで、「リッキーという役はアルフが良いね。一番だね」と言われたいですね。どの作品の再演モノをやるにあたっても目標にすえるんですけど、人気の作品だからこそ、余計にその思いは強いです。
ネタバレとなってしまうので、このインタビュー中では伏せているいくつかのシーン。そのコミカルな場面を伊藤アルフは嬉々として演じている。会場で目にした観客は大きな笑いを禁じ得ないだろう。
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