――「KALEIDO」(「unlasting」初回生産限定盤・通常盤のみ収録)は歌唱が難易度高い気がするね。
「リズムがすごく難しかったです。曲はみんみん(小南泰葉)が書いてくれたんですけど、メロディ聴いてるだけで泣けちゃうんです。すごく繊細で、大事なことを伝えてくれる旋律で。すごく愛情が深いのがメロディから伝わってくる。このメロディには絶対に薄い覚悟は乗せられない!って思ったというか」
――たしかに、この曲の歌詞はLiSAの作詞じゃないよね。
「そう。秀さん(田中秀典)。自分で書くよりも、素直な気持ちを真っ直ぐに伝わる言葉で書いてくれるのは、秀さんだなって思ったのでお願いしたんです。秀さんには「1/f」(シングル『赤い罠(who loves it?) / ADAMAS』収録)の歌詞も書いてもらっているんですけど、“この気持ちを言葉にするとしたら、どういう言葉にするの?”っていう言葉を秀さんはすごく明確に言葉にしてくれるんです。どうしても伝えたい大切な想いはあるのに、上手く言葉にできないと思ったから、秀さんに一生懸命お手紙書いたんです! 私ね、いつも終わりを常に意識しながら生きているんです。とにかく、いつ終わってもいいっていう覚悟でいつも生きてるから、ファンのみんなから、“突然いなくなっちゃうんじゃないか”って心配してくれるお手紙をよく貰ったりするんです。すごく心配みたいで。だから、安心させてあげたいと思ったというか。大丈夫だよ、安心してねっていう歌にしたかったんです。それを秀さんに伝える時、『すごく信頼している人に歌いたい歌詞を書いてほしいです』と言ったんです。そこで、例にあげたのは『ドラえもん』だったんです」
――え!? ドラえもん?
「『ドラえもん』の結末は、誰も知らないんだけど、いろんなエンディングが想像でつくられてて。その一つに、ドラえもんがある日壊れちゃう話があって。大切なドラえもんが壊れちゃったから、落ちこぼれののび太くんは、必死で勉強してドラえもんを直すの。最近、(映画)『STAND BY ME ドラえもん』を見たんだけど、そのストーリーがすごく好きで。その中で、おじさんになったのび太くんが、子供ののび太くんに、“ドラえもんはまだいる?”って聞くんです。そしたら、その言葉に子供ののび太くんは、“うん、まだいるよ!”と答えるんです。その言葉に大人ののび太くんが“今を大切に生きるんだよ”って言うんですよ! もうね、その言葉だけで私、大号泣(そして、ここでも思い出し泣き)」
――泣かないでーー。
「思い出したら泣けてきちゃった! 未来にドラえもんがいないのを知ってる大人ののび太くんは、だからその言葉を子供ののび太くんに言ったんだって思ったら、涙止まらなくて」
――自分に重ねたんでしょ。
「うん(泣く)。私もそんな気持ちなんですよ。普段は何もなくて、面倒くさがり屋だし、泣き虫だし、心配性だし、不安性だし…ふぅ(泣くのを必死で我慢するLiSA)」
――泣かないで〜。
「すみません(笑)。私、のび太くんだなって思ったの」
――自分が?
「そう。普段は怠け者で、何にも頑張れないのに、みんながピンチだって思ったら、自分でもびっくりするくらいの力が出るから。みんなは私のドラえもんで、私はのび太くん。助けてもらってるのはいつも私なのに、みんながピンチの時だけは頑張れる。“大丈夫だよ!”って言ってあげられる側に立てる。絶対に助けるって思うの! ドラえもんはいつものび太くんの味方だから。そういう歌にしたかったんです」
――なるほどね。LiSAっぽいね。
「そう。そのまま秀さんが言葉にしてくれているから! 本当に伝わったんだなって思いました」
――そうだね。でも、楽曲が大人っぽいところが、第二のLiSAだなって感じさせるね。
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