1993年8月3日、両国国技館で藤波辰爾さんとタッグを組んで、天龍源一郎さん、北原光騎組と戦った試合もよく覚えています。天龍さんは岩山みたいなイメージでした。
掌底を打ち込んだら、突っ張りで反対側のコーナーまで追い込まれて。あの逆水平チョップは食らったことのない威力でした。天龍さんの得意技であるパワーボムをやったら、逆鱗に触れたのか一気に本家のパワーボムで勝負を決められたんですよ。
僕には山本小鉄さん、アントニオ猪木さん、藤原喜明さんをはじめいろんな恩人がいるのですが、天龍さんもその中の一人なんですよ。
雑誌の企画で対談させていただいた時、「プロレスは自分の中で『もう俺はいいよ!』って思うくらい、腹いっぱいになるまでやった方がいい。腹いっぱいじゃないのに辞めるから、また復帰とかみっともないことするんだよ」と仰られていて。
それを聞いた時に、「ああ、プロレスは年齢とかじゃないんだな。自分が腹いっぱいになったかどうかが大事だし、人にとやかく言われることでもないんだな」って気づいて。実際に天龍さんが引退試合でオカダと戦ったのを見て、「スゲーな!アレこそが腹いっぱいのプロレスなんだな」と思いましたから。
僕は2020年1月5日(日)の東京ドームの引退試合で、高橋ヒロムと試合するんですが、ヒロムが1月4日(土)にIWGPジュニアヘビー級のチャンピオンになったら、引退試合でチャンピオンになって引退。そんな人いないよね。「何で引退するの?まだまだ出来るじゃない!」って言われながら引退したいです。
天龍さん以外にも、恩人たちとの試合も入っていますし、ライバルに恵まれた僕らしい試合、次の世代との戦いも収録されています。12月25日(水)にはHMV&BOOKS SHIBUYA店でイベントもあります。売れないと困るので、ぜひファンの皆さま、購入して遊びに来てください!
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