飯山氏は、他のバラエティーと「なぎスケ!」とでは、作るときのこだわりが全然違うと語る。
「バラエティーはこういうもんだとかは偉そうで言えないけど、『なぎスケ!』の場合は本人たちが楽しいと視聴者も楽しいので、ガッチガチの複雑なルールで真面目な2人にやらされてる感が出ないよう、遊びの延長になるように考えています。2人が楽しめる番組のベースを作ること。野球やりたいっていったら東京ドームを用意したいくらいです(笑)」
だが、飯山氏本人と2人の趣味や好みが合うか尋ねると、「合わないと思います」と即答。
「いまだに2人の好みは分からないです。忘年会、新年会含め、番組終わりに僕らと一緒にご飯食べに行くとかほとんどしないので…。ユースケくんと剛くん2人ではたまに行ってたみたいなんですけど。僕らとは仕事の、カメラ回ってないところではほとんど話さないですね。
なので企画はある程度トレンドを意識しつつ、みんなで会議で出し合って、2人が乗らないなっていうネタはボツ。そこをあえて頑張らせようという発想がこの番組に関してはないですね」と続けた。
「もしかしたら全部の番組の中で、一番客観的に見ているかもしれないです。下手すると2人と一緒になってお客さんを置いていっちゃうので。でも、現場はただ楽しんでもらいたい。
僕らは視聴者目線を忘れず、これは伝わんないよっていう場面はナレーションやイラスト、テロップで補足します。今後はミュージシャンなど畑違いのアーティストや個性派の俳優ゲストを呼んで、好きなことをさせていきたいですね」
Amazon Prime Videoという新しい環境下での意気込みを尋ねると「知らない方にも普通にあの2人の魅力が伝わればいいと思ってます。ファンじゃない方にも『あ、こいつら面白いな』って思ってもらえる番組にしたいですね」と端的な回答。
「配信なので、都合のいいタイミングでの“ながら見”でもいいですし、ボリューム落としててもテロップ入ってますし…」と話しながら、「すごい細かい話していいですか?」と、聞くまで意外に気付かないかもしれない重要なスタンスの変化を明かしてくれた。
「『「ぷっ」すま』のときは、テロップが全部“客観的なツッコミ”だったんですが、『なぎスケ!』ではだいたい、言った人の気持ちを後押してるんです。例えば『遠距離ロケ絶対行かないからな!』というユースケくんの発言に対して、前は『ワガママ。』と入れていましたが、今は『都内最高!』というふうに。
どうでもいいんですけどね、ちょっと変化させてみようと思って。そのマインドを伝えたスタッフがみんな本当にうまく入れてくれて、僕が『あ~なるほど』って思うこともある。楽しいです」
取材・文=坂戸希和美
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