小栗旬「作品を通じて生きる勇気とパワーを!!」
映画「岳」の初日舞台あいさつが5月7日、都内で行われ、出演者の小栗旬、長澤まさみ、佐々木蔵之介、石田卓也、渡部篤郎、片山修監督が登場した。
同作は、石塚真一による原作コミック(小学館ビックコミックオリジナル連載)で、'08年に第1回「マンガ大賞」、'09年には第54回「小学館漫画賞」を受賞し、現在までに330万部突破しているベストセラー作品。美しい日本の山々を舞台に、山をこよなく愛する主人公・島崎三歩と登山者たちとの温かい交流と、山岳救助隊の現場で起こる命のドラマを描いた物語となっている。
島崎三歩役を演じた小栗は「山に登ったりクライミングをしたりと山岳訓練をしました。個人的には、時間が空いてるときに室内のクライミング場に行ってました。林間学校か、遠足か以来の登山でしたね。撮影に入ると、大勢の人数で機材を運んだり、カメラの置けるところでの撮影という形なので、めったに急な場所には行かなかったんですけど、訓練では少人数でガイドさんと経験しておいた方がいいだろう、ということで危険な所に行きました。一番最初に監督と八ヶ岳の山に登ったときが一番印象に残ってます」と振り返った。
椎名久美役の長澤は「新人という役でわたしも今回、山に登るのは初めての経験だったので、役作りというよりは、役柄を演じながら一緒に自分も成長しつつ、久美も成長できたと思います」と自身の役どころについて話すと、小栗は「ハイキング気分で登った軽装の登山者を怒るシーンがあるんですけど、その日のまさみちゃん、すごい怖かったですもんね~。石田君と二人で『怖いな~』って言ってて。すごいプリプリ、プリプリしてましたもんね」と告白し、長澤は「軽装で登ってくるのが悪いんですよ!」と役柄になりきり、会場を沸かせた。
山岳遭難救助隊隊長・野田正人役を演じた佐々木は、雪山を体験したことについて「そんなに隊長は登ってないんですけどね~。基本、基地で報告を受け、指示を出していたんですけど、登った時は、1カットも撮影できずに下山した日もあったりして。午前中が勝負だって言って、朝早くから登って撮影したり、昼食も休憩時間もまったくなしで体調も自己管理で、いつ撮影できるかかわからない状態が続いたりとすごい過酷でしたね」と撮影時を振り返った。それに続き山岳遭難救助隊隊員・阿久津敏夫役の石田も「雪山のシーンは本当に大変で、ちょっと走るだけで体力を消耗してしまうし、足場がすごく悪いんで、もも上げみたいに走らないとなかなか前に進まないし、ものすごくハードでした」と話した。
昴エアレスキュー・パイロット・牧英紀役の渡部は「原作も大好きなので、ぜひやらせていただきたいとお願いして今回やらせていただいきました。役作りはというと、日焼けサロンで色を黒くしたくらいです」と明かすと「実際、山を登るシーンもやりたかったですね。本当は佐々木さんの役をやりたかったんですけど。うそうそ! ありがたく演じさせていただきました(笑)」と冗談交じりにコメント。
最後に、小栗は「みんなで命懸けで作った作品になったので、見ていただければ自分たちがちゃんと山に向き合ったのかというのも、生きる勇気も伝わるんじゃないかと思います。僕は、社会的にすごいことができるわけじゃないけど、この作品を通じて、生きる勇気やパワーが広がってくれればうれしいなと思います」とメッセージを送った。