――今回の舞台は二人芝居ですね。
土屋:糸井さんが作り上げる世界は、普通の演劇とはまたちょっと違うと言いますか、糸井さんならではのテイストが多く含まれているんです。
その作品の世界に自分が染まることができるのか。一つの課題でもありますし、心掛けるべきところなのかなと思っています。
――糸井さんならではの世界観とは?
土屋:糸井さんたちは“妙ージカル”と仰っていて、他のミュージカルとは違うし“THE演劇”と言われるものでもない。糸井さんが作り出す音楽の世界は独特で、決められた尺の中にセリフを全部入れないといけないという演出の方法も刺激的。
演じる側としてはすごく難しいんですけど、見てくださるお客さんも今までの演劇とは違う面白さを感じられると思います。
その世界観に自分がちゃんと浸れるのかどうか不安でいっぱい(笑)。でも、僕にとっては初めての挑戦ですから、ドキドキやワクワクの方が大きくてすごく楽しみにしています。
――上西さんは、オファーを受けて心境はどうですか?
上西:この前まで出演していた舞台、リーディングシアター『キオスク』(2019年12月25日~29日:東京芸術劇場、2020年1月18日・19日:兵庫県立芸術文化センターで上演)の稽古の時に、演出家の方からいろいろご指導を頂いたんですけど、なかなか思う通りにできなくて悔しい思いがあったんです。
その時には今回の二人芝居のお話も決まっていたので、稽古でうまくできなかった悔しさをリーディングシアターの本番できちんとクリアして、また新たな世界に挑戦してみたいって気合を入れました。
前回の作品を見たんですけど、普段の上西星来ではあり得ないことをやらなければいけないという覚悟をしています。
――あり得ないこととは…?
上西:歌のフレーズで「おっぱい」という言葉が出てくるんです。TPDの歌詞には絶対出てこないですから(笑)、そういうセリフを言っている自分が想像できない。役に入り込めばできると思いますけど、私の中では挑戦です。
――以前、Twitterで「今までとは全く違う壁にぶち当たることも多くなるけど、楽しんで、もがいて進んでいきたい」とつぶやいていた“壁”の一つ?
上西:『キオスク』も今回の二人芝居も、私にとっては初めての経験。何しろお芝居自体がお久しぶりなので…。
――2015年に上演された舞台『ダブリンの鐘つきカビ人間』以来ですから、確かに“お久しぶり”ですね。
上西:そうなんです。だからお芝居の感覚を取り戻すのが難しくて、自分にとってはどちらも高い壁。でも、これを乗り越えることができたら、また新しい自分の道が見えるのかもしれないと思っています。
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