――現時点(取材は2019年の12月)では、役に対してどんなアプローチを?
土屋:どういう準備をすればいいのかという点が一つの課題。セリフの量が多いですし、1人で何役も演じないといけない。ある意味、落語的な使い分け、演じ分けが求められるので間の取り方も重要になってくるんです。やるべきことが多過ぎてどうすればいいのか正直戸惑っています。
上西:セリフ量が多いから滑舌をよくしないといけないですし、会場中に響くような声もちゃんと持っていたいなと。あとは、劇中で母になったり、バーの店員さんを演じたり、自分が経験していないことを表現するシーンが多いんです。
なので、もし自分が母親だったらこういう時にどう思うのか、何を言ってあげられるのか。普段からいろんなことを想像することも大事なのかなと思っています。
――セリフの量が多いという話が出ましたけど、覚えるコツはあるんですか?
土屋:僕は常に台本を持ち歩いています。以前、シェークスピアの舞台をやった時もセリフが多かったのでトイレに籠ってブツブツ声に出しながら覚えたりして、いつどんな時でも練習できるように肌身離さず台本を持っていました。
もう、最後は根性論(笑)。受験生のような気持ちで臨めばできるような気がします。
上西:大声を出してセリフを言うと覚えられます。あれは、とても不思議な感覚。それと、TPDの曲やソロ曲を覚える時は歌詞の情景を絵に描いていました。そうすると歌っている時にその絵が浮かんでくるから言葉が出てくるんです。その覚え方を習ったことがあったので実践しています。
土屋:その覚え方は面白い! 勉強になりました。僕は合唱コンクールとかで指揮者に立候補したぐらい歌詞が覚えられなくて。僕の学校は、指揮者は両手で4拍子振るだけで歌わなくて良かったので(笑)。上西さんの覚え方、自分でもちょっとやってみようかなって思います。
――お二人は初共演ですが、お互いの印象は?
土屋:話をしていく中で、上西さんが愛知県出身だということが分かり、愛知県が東海地方だということを知りました(笑)。
上西:ずっと、関西だと思っていたみたいです(笑)。
土屋:すみません(笑)。上西さんとは同い年(現在23歳)ということもあって、すごく話しやすいです。二人芝居をする上で心強い存在ですね。
上西:土屋さんは、初めてごあいさつした時にすごく優しい笑顔で迎えてくださったんです。一目で怖い人ではないと分かったので(笑)、とても安心しました。でも、話をしていくうちに、ちょっと天然…なのかなって?
土屋:ちょっと待って。“天然”の後は大体“バカ”が付くって知ってます?(笑)
上西:あ…いい意味での天然ということです(笑)。何か通じ合えるかなって。
――それは、上西さんも天然だということ?
上西:私は違います!(笑)
土屋:あ、ひどい。「私は」って何ですか(笑)。
上西:土屋さんはすごく話しやすい方です。
土屋:何かうまくごまかされたみたいですけど(笑)、ありがとうございます!
――舞台は再演ですが、オリジナルキャストの深井順子さんと森下亮さんに聞いてみたいことは?
土屋:僕が気になっていたのは森下さんの声のテンション。どの役もあまり変えている印象を持たなかったんです。声を変えずに役柄だけを変える。それで、役としての説得力があるってすごいことだなと。
僕だったら声の高さを変えたりしてしまうと思うから、声を変えずに子どもから大人、そしてお母さんや警官も演じてしまうその表現力を稽古の時に学んでみたいし、どうすればいいのかを聞いてみたいです。
上西:深井さんが演じる女性像は、子どもの頃も母になってからも芯が強いんです。それをどうやって表現したらいいのか。醸し出している雰囲気などをまねできるとは思わないですけど、どうすれば自分なりの強さを出せるのかいろいろ勉強したいです。
――TPDのメンバーに話を聞くと、上西さんは「芯が強い」という声が多かったような気がしましたけど。
上西:私がですか? それはNOです(笑)。
土屋:勝手な印象ですけど、芯が強いという部分はぴったりだなと思います。
上西:ありがとうございます(笑)。
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