今回は、もう“カメハメ波”を打つような感覚(笑)
――つか作品の稽古というと口立て(セリフを口頭で伝えながら演出)が有名ですが、今回も同じようなスタイルだったんですか?
演出の四大海さんが、最初から一番感情が乗りやすい節回しを教えてくださいました。つかさん流のセリフのリズムや形はとても美しいんです。ただ、演じる方としては、それがすごく難しい。かなり苦労しました。
――自分でアレンジすることも?
私もあまのじゃくな性格なので、ちょっと自分なりに工夫してみたんです。でも、何か違和感があって。言葉を区切る部分やリズムなどは、口立てで教えていただいた通りにやった方がしっくりくるんです。もちろん、ガチガチに決められたものではなく自分たちの解釈を入れて演じてもいいんですけど、四大海さんが最初に80点ぐらいのものを教えてくださっているような感覚。
あとは、私たちがどれだけプラスすることができるのか。とても不思議で面白い稽古でした。
――普段とは違う芝居を求められることも多かったんですね?
今まではどちらかというとナチュラルな芝居を心掛けていました。今回は、正反対な演技というか、まずは一回出し切ってみようと。もう“カメハメ波”を打つような感覚(笑)。思いっきりやってみて、そこから改めて考えていくことにしました。稽古中になぜか涙が止まらなくなる瞬間があったりして。役に入り込んで戻って来られなくなるようなタイプではなかったんですけど、今回はちょっと危なかったですね。それだけ、スタッフやキャストの皆さんのパワーがあふれている作品なんだなと思いました。
つか版『忠臣蔵』
公演期間:1月22日(水)~26日(日)
※休演日なし
会場:浅草 木馬亭
出演:岩田玲 渋谷飛鳥 大場真人 野田孝之輔 六川裕史 根岸薫子 岩義人 直江幹太 永瀬千裕 篠原麟太郎 辻畑利紀 一瀬晴来 山本キース孝一 山川琉華 四大海 滝佳保子 渡辺有希 森屋正太郎 長谷川夏海
原作:つかこうへい
演出:四大海 木村孔三
公演情報:https://twt.stage.corich.jp/