本作の演出は、第57回ギャラクシー賞上期入賞作品にドラマで唯一選出されたドラマ「スカム」(2019年、TBSほか)、間宮祥太朗を迎えて映画化した衝撃作「全員死刑」(2017年)や、吉沢亮主演のドラマ「GIVER 復讐の贈与者」(2018年、テレビ東京系)などの話題作を次々と生み出している新進気鋭の小林勇貴監督が務める。
ーー小林監督とご一緒していかがでしたか?
山田:僕と監督のイメージのシンクロがすごく多くて感覚が似ていたので、言わなくても何かが生まれていて(笑)。
あと、ワンカットを長回しして、集中が切れないようにテストが終わったらすぐに本番やっちゃおうって、どんどん進めてくれるのでやりやすかったですね。
みんなも「楽しい!」って言ってました。現場の緊張感もあり、お芝居してるっていう感じがあって、すごく良い監督だなと思いました。
秋田:細かく演技指導してくださるというよりも、気持ちを大切にさせてくださる方です。感情を見せるシーンでも、監督が現場の雰囲気を作ってくださるので、空気が変わったことで気持ちも変わってすごく良い撮影ができたと思います。
普段はすごい優しくて、柔らかくてちょっとフラってしてる感じで。多分頭の中でシミュレーションしていると思うんですけど、撮影現場を歩きながら笑ったりしていて、変わった方だなと思いながらも、監督とご一緒できて楽しかったです。
ーー監督からかけられた言葉で印象的だった言葉はありますか?
山田:僕、10年前にお芝居の学校に通っていたんです。そこで言われた「てめぇの魂が動かねえで人の魂動かせるか」って言葉が今でも心に残っているんですが、今回、小林監督が「お芝居は魂の躍動だから」って言ってて。
「せりふをこうやって言おう」とか、考えなくて良いよねっていうのをお互いに喋って、全く同じ考えやスタンスを持ってる方だなと。それがすごく良かったなと思いました。
――小林監督がラブストーリーを撮るのは今回が初ですよね
山田:すごい人間ドラマ撮ってるなと思ったんですよね。良い意味で、日に日に原作とは離れて行っているというか、別の「ホームルーム」になっているというか。
思い返しても、自分の中でちゃんと響いていて、これは見てもらったら届くんだろうなって思います。監督は気合の人でもあり、作品愛の深い人でもあると思うんです。
ーー生徒たちから人気の愛田先生。生徒役のキャストの方々とのエピソードはありますか?
山田:僕は先生役が初めてなので、今回の生徒が僕にとって初めての生徒なんです。生徒役の方たちはエキストラの役割もやってくれていているので、朝から晩までやってくれてました。
そんな中で、一言も発しない子も居たりするんです。僕もともとエキストラをやっていたので、その子たちの気持ちも分かるというか…。
授業のシーンでは、絶対に桜井(秋田)に当てるんですが、桜井に当てる前に他の生徒に振ったりとかして。「この先生愛されてるんだな」っていう雰囲気を作るために、「授業中話しても良いし、思ったら言っちゃって良いから」っていうのをみんなに話して、みんなで一丸となって作れたなと思います。
最終回の教室のシーンは最高でした。監督もあのシーンは「過去イチ」だって言っていたみたいです!