奥田民生&岡崎体育“OT”コンビが「楽演祭」第5弾に登場!【イベントレポート】
学生時代のエピソード
続いて講義に出席した生徒の「学生時代や20代前半 どんなことをやってましたか?」という質問に対し、奥田は「21歳のときにユニコーンでデビューしたんですけど、20歳のときはけっこうヒマで、パチンコばっかりやってました(笑)。デビュー後は、“どうしたら残っていけるか?”みたいなことを考えて、他の人が作らなそうな曲を作ろうと思ったかな」と回答。学生時代、地元の京都でバンド活動を行っていた岡崎は「バイトと大学だけの生活でした。統計学の受業を取っていたので、マジョリティの心理を掴む方法、“どうしたら面白がってもらえるか?”という基礎は学べたかも」と答えた。
“音楽制作”のテーマでも、興味深いトークが展開された。その中心は“アナログとデジタル”だ。学生時代からバンド活動を行いつつ、MTRを使って多重録音で音源を作っていたという奥田。そして、「ベースが欲しくて楽器屋にいったら、なぜかDTMの機材を買ってしまい、そこから宅録するようになった」という岡崎。音楽のスタイル、制作の方法はまったく違うが、音に対するこだわりの強さは共通しているようだ。
「最初のアルバム(『BASIN TECHNO』)は、ミックス、マスタリングまで自分でやって。“メジャーでもこれでOKなんや”ってビックリしました。デビューしてからは、生音のレコーディングも増えましたね。微妙な音の強弱、ちょっとしたノイズなどはデジタルで表現しきれないし、アナログの良さに気づくことも多くて。いろいろと試すのも面白いんですよ。『なにをやってもあかんわ』という曲では、地元の友達に頼んで、“腹太鼓”の音を録りました。」(岡崎)
「そんなことで人を呼ぶなよ(笑)。でも、飽きないようにするのは大事だし、身近なものを使って音を録ることもありますね。折り畳み傘の袋をこすったり、電話帳を叩いたりして、“なんちゃってドラム”の音を作ったり」(奥田)
(この後、井上陽水の「MUSIC PLAY」のドラムは、奥田が“なんちゃってドラム”で作ったことを明かし、驚きの声が上がった)
講義の終盤には、「夢を叶えるために大事にしていること」という質問も。
「夢や目標がなかったんですよ。いろんなところで演奏して暮らしたいというだけで。1日1日、与えられたことをやるのがモットーなので(笑)」と奥田が答えると、岡崎は「そうやって自分がやりたいことをやって、たくさんの人に知ってもらえるのが理想。ミュージシャンは奥田民生になるのが夢なんです」と返す。また岡崎は「僕は7年間、さいたまスーパーアリーナでワンマンライブをやるという夢を持って活動してきて、去年、それが実現しました。やりたいことや夢を持ってる人は、なるべく人に言ったり、SNSなどで発信したほうがいいと思います」と、自らの体験を踏まえてコメント。奥田民生、岡崎体育の音楽的ルーツ、音楽を始めたきっかけ、サウンドメイクに対する考え方などが実感できる、意義深い90分だった。
日時:2020年1月24日(金)18:30開場/19:00開演
会場:テアトロ・ジーリオ・ショウワ
チケット料金: 5,500円(税込) 一般発売:2019年12月15日(日)
出演アーティスト:奥田民生、岡崎体育
楽演祭 特設サイト:https://gakuensai-betsukado.com