奥田民生&岡崎体育“OT”コンビが「楽演祭」第5弾に登場!【イベントレポート】
岡崎体育が登場
“奥田民生×岡崎体育”のライブは、昭和音楽大学の構内にあるテアトロ・ジーリオ・ショウワで開催された。柴氏が“エデュケーション”と“エンターテインメント”、教育とライブが融合した「楽演祭」の趣旨を説明した後、まずは岡崎が登場。シックな雰囲気の会場をいきなりダンスフロアに変貌させる。「R.S.P」の「僕とジャンケンして、勝った人だけで踊ってください! 負けと“あいこ”は椅子にすわって!」というMCも楽しい。
さらに、“体育の日”が“スポーツの日”になることの悲しみを歌った「さよなら体育の日」、“やたら長くて複雑なフレーズでコール&レスポンスを試み、観客が歌えない状況を残念がる”という演出を取り入れた「Call on」など、岡崎体育にしか体現できないステージが続く。軸になっているのはもちろん、楽曲のクオリティの高さと圧倒的な個性に裏打ちされたパフォーマンス。ダンスもラップも歌もキレキレだ。
切ないバラードを気持ちよさげに歌い上げていると、いきなり心の声がツッコミを入れる「Voice of Heart2」、「大学生の頃に感じていたことにちょっと脚色を加えて曲にしました」というギターロックナンバー「鴨川等間隔」で音楽性の広さを示した後、ライブはいよいよ終盤に。「XXL」「The Abyss」と超アッパーなダンスチューンを連発し、爆発的な盛り上がりを生み出す。「ひとりで家で作った曲を聴いてくれる人がいて。、頷いてくれたり、歌ってくれたり、踊ってくれたりするのが幸せです!」という言葉も強く心に残った。
奥田民生ライブパート
ジャジーで小粋なインスト曲「ブルームーンギャラクティカ」とともに登場した奥田民生は、椅子に座ってアコースティックギターを手に取り、「俺のギター」からライブをスタートさせた。ギター1本でいぶし銀のロックンロールを出現させ、“なかなかのいいコンビ 俺とギター”というフレーズで自らの音楽性をそのまま伝える。冒頭から“これぞ奥田民生!”なステージが展開され、いきなりグッと来てしまう。
「初代OTは“桶狭間の戦い”。それからだいぶ経ってから、岡崎体育さんが2代目となりまして、この度私が三代目OTソウルを襲名させていただきました。よろしくお願いします」というMCで笑いを取り、「昔やってたコミックバンドの曲を」と「働く男」(UNICORN)を披露。何度も聴いてきた楽曲が、弾き語りによって“このとき、この場所”でしか味わえない音楽になっていく。30年前にリリースされた楽曲だが、言うまでもなく、歌詞もメロディもまったく色褪せていない。
この後も、“ゆったりしたトーク”と“奥深くて生々しい歌とギター”が続く。「さっき講義で“夢はない”って言いましたけど、夢はキャンパスライフです。ノートとかをベルトで巻いて…」というMCの後は、渋みと深みに溢れたブルースロック「白から黒」、そして、「(チューニングしながら)こういうズレが気になるんだろうね、音大の学生さんは。ちょっとズラしてみる?」というトークを挟み、「The STANDARD」へ。愛する人を求める狂おしいまでの思いをエモーショナルに描き出し、会場を大きな感動で包み込む。ザックリと鳴らされるギター、体ごと響かせるようなボーカルによって、凄まじく豊かな音楽に結びつけるプレイはやはり格別だ。
「今回の講義のテーマは“アナログとデジタル”。一応、体育さんがデジタルで、僕がアナログということなんだけど、僕もコンピューターを使って音楽を作りますし、2代目も歌って踊ってるのはめちゃくちゃアナログだし(笑)。要はそれを使って何をするか?ですからね」という示唆に溢れたMC、そして、「風は西から」「さすらい」という名曲を歌い上げ、ライブはエンディングを迎えた。
アンコールを求める拍手のなか、岡崎体育がひとりでステージに登場。「バンドに対する嫉妬が憎しみに変わり、曲になりました」と“てっくん”(ペンギンのパペット)を相棒に「FRIENDS」を歌い始める。その途中で奥田民生が登場。岡崎の機材の陰に隠れ、サングラスとパーマ頭のパペットを掲げながら一緒に「FRIENDS」をデュエットし、大歓声が巻き起こる。さらに2人で「イージュー★ライダー」も。岡崎が打ち込んだトラックと奥田のギターが融合し、両者の声が重なる超レアな場面が実現し、イベントは終了した。
日時:2020年1月24日(金)18:30開場/19:00開演
会場:テアトロ・ジーリオ・ショウワ
チケット料金: 5,500円(税込) 一般発売:2019年12月15日(日)
出演アーティスト:奥田民生、岡崎体育
楽演祭 特設サイト:https://gakuensai-betsukado.com