SF漫画「銃夢」がハリウッドで映画化されるまで―原作者と「タイタニック」のジェームズ・キャメロンの相思相愛<ザテレビジョンシネマ部>

2020/02/14 07:00 配信

映画

『アリータ:バトル・エンジェル』(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.


漫画家、木城ゆきとの代表作『銃夢』を、ジェームズ・キャメロン製作&脚本、ロバート・ロドリゲス監督という胸躍るタッグで映画化した『アリータ:バトル・エンジェル(2019)』(2月22日[土]よる8:00 WOWOWシネマほか)。地球と火星連邦共和国(URM)が覇権を競った没落戦争“ザ・フォール”から300年後の2563年。地球最後の空中都市ザレムの直下に広がる混沌としたアイアンシティを舞台に、サイボーグ少女アリータ(ローサ・サラザール)の奮闘を描いたSFアクション大作だ。

見どころはもちろん、最新VFXを駆使した痛快なアクションの数々。アイアンシティで流行する格闘スポーツ、モーターボールのシーンをはじめ、敵対する賞金稼ぎのハンター・ウォリアー(彼らは体の一部をサイボーグ化している)との戦いでアリータが繰り出すキレキレのアクションは必見だ。

また、アリータと、ザレムに行くことを夢見る青年ヒューゴ(キーアン・ジョンソン)の初々しい恋模様も物語に彩りを添える。

アリータのビジュアルを見てまず目を引くのが、一見すると不自然にも思える目の大きさだろう。だが、これは取りも直さず、キャメロンの原作愛の表出にほかならない。

そもそも本作の端緒は、今からおよそ20年前の1999年にさかのぼる。押井守作品をはじめとする日本の漫画やアニメーション、映像作品に大きな影響を受けてきたと公言する、いわば“日本オタク”のギレルモ・デル・トロが友人であるキャメロンにOVA版の『銃夢』を薦めたのがきっかけだった。デル・トロいわく「これはぜひとも君(キャメロン)が実写化すべきじゃないか?」。