そんな「M−1―」の本番で、シュウペイはあることをしたと明かす。
シュウペイ「僕は『M−1―』ファイナリストで唯一、スタイリストを入れた芸人です(笑)。それまでの衣装は黒いジャケットとズボンでしたが、上下が合っていないものでした。周りから“変えた方がいいよ”と言われていたので、これは決勝で変えるしかないなと。それで当日、スタイリストを入れたんです。スーツも靴も本番で初めて身に付けたのでちょっと心配でしたが、馴染んでくれて良かったです。そのまま衣装を買い取り、今はこのスタイルが定着しています」
松陰寺「僕のスーツのホコリを取ってくれたり、“良かったら履いてください”とスリッパを出してくれる人がいるんですけど、僕らにしかサービスをしないんです。後から“あっ、相方のスタイリストだったんだ”って」
シュウペイ「彼はもともと、バイト先で知り合った後輩なんですよ。お互い、有名になったら一緒に仕事をしようねと約束していて。僕が『M−1―』決勝に進んだと伝えたら、“タダでいいので、手伝わせてください”と言ってくれました。『M−1―』後に“お笑いを見て感動したのは初めてです。ちょっと泣きそうでした”と言うので、思わず“泣かなかったんか~い!”とツッコみましたけど(笑)。今はすっかり仕事仲間です」
では“時を戻そう”。「M−1―」で、彼らの出番は10番目。順番が決まるくじ引き“笑神籤(えみくじ)”で、ぺこぱのくじはなかなか引かれなかった。
松陰寺「早くネタをやりたかったです。TAIGAさんから“ネガティブな気持ちになるのはやめとけ、トップバッターになったとしても後ろ向きになるな”と言われていました。だから1番来い、2番来い、と笑神籤のたびに思っていたんです。でも全然呼ばれないから、変な呪いにでもかけられたんじゃないかと思って(笑)」
シュウペイ「笑神籤のたびに意気込んで、出番じゃないから脱力を繰り返していると、体力を結構使うんですよ」
松陰寺「毎回2アウト満塁で、ランナーが牽制タッチアウトになるバッターの気持ちでした。“あっ、バットを振る暇がなかった”という(笑)」
シュウペイ「その気持ちを何度も繰り返したことで、実際の出番ではあまり緊張せず、リラックスして挑めたんです。逆に楽しもうと思ったし、“この景色を忘れないようにしよう”と思い出を作る気分でしたね」
松陰寺「シュウペイはセリフ量が少ないから、それくらい余裕があるよね(笑)。僕はとにかく、ちゃんとしゃべろうと思ってました」
そして高得点を獲得し、3位になって最終決戦に進出。そのときの気持ちはどのようなものだったのか。
松陰寺「シンプルに、よっしゃ!と。あのときはキャラも何もなくなって、ただの松井勇太(本名)がガッツポーズしてました(笑)」
シュウペイ「僕は“もっとテレビに映れるな”って(笑)。最終決戦に行かないと、この先はほとんど映ることができないことが分かっていましたから、ラッキーと思いました。あとは松陰寺さんがかなり興奮していたので、“まだ次があるから”と押さえていた感じですね。最終決戦では最初にネタをやることになるだろうから、“一回落ち着け!”って(笑)」
松陰寺「うん、言われたね。それくらい興奮してました」
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)