――ナレーションを録り終えた感想は?
とても感動的な物語でしたね。あまり感情的になってもいけないから、できるだけ気持ちを押し殺しながら話すことを心掛けました。その塩梅が難しかったです。
――本作は、恐竜にまつわるいろんなエピソードが満載ですね。
そうなんです。CGなんですけど恐竜たちの感情が伝わってくるんです。一つ一つの動きもそうですし、カメラワークもドラマチック。恐竜の表情や佇まいなどが細かく表現されていて、日本のCGはここまですごいのかとびっくりしました。
――必死に生きようとしている恐竜たちの姿には何を感じましたか?
赤ちゃんを産んだ後、外敵から守りながら育てて次の命へとつないでいく。そのストーリーがとても感動的。恐竜たちの細かい表情からいろいろなことを想像してしまうから、見ていて自然と気持ちが入っていくんです。
普通に見ている分にはいいんですけど、ナレーターとしては極力フラットに原稿を読まないといけないのでなかなかやっかいでした(笑)。
――収録する際に監督からリクエストされたことはありますか?
恐竜がテーマということで子どもたちに楽しんでもらえるように、できるだけ語り掛けるような感じでという演出を受けました。感情の抑え方も場面場面によって少し変えたりして。
ただ、1時間半という時間の中では、ショーアップのために多少あおったりする場面も出てくるので、そのメリハリも意識しました。
――個人的にグッときたシーンは?
やっぱり後半の家族の物語。この映画は、お子さんがたくさん見に来ると思うんですよ。
そうすると親御さんも一緒に来るわけで、うちにも子どもがいるので家族の営みのような描写は特に心に残りますね。親が子どもを思う気持ちは恐竜も人間も同じなんだなと思いました。
――「家族」という意味では、今回ご夫婦でナレーションを担当されますね。
これまでも映画などで共演しているんですけど、今回は家族で見てもらいたい作品ということで、二人でナレーターを務めるという組み合わせもありだな、これは面白いなと思いました。
――ちなみにテレビ版「ダーウインが来た!」の印象は?
子どもがまだ小さかった頃、よく見せていました。動物の世界ってすごく切実じゃないですか。エサを獲って、それを食べて生きていく。もう理屈ではないですよね。
みんな本能で生きているところが、厳しくもあり切ないところ。そういう生き物としてのリアルな部分は、子どもが世の中に出て生きていくということを考えたら知っておいた方がいいんじゃないかなと思います。
時々、ちょっとまぬけなシーンが出てきたり、かわいらしい生態が楽しめるほのぼのとした映像もあったりして。その緩急がいいですよね。
2月21日(金)公開
ナレーション:田辺誠一 大塚寧々 龍田直樹
監督:植田和貴 監修:小林快次
製作・配給・宣伝:ユナイテッド・シネマ
制作:NHKエンタープライズ
公式ホームページ:https://kyouryu-darwin.com
「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」
毎週日曜夜7:30-8:00
NHK総合で放送
番組ホームページ:http://www.nhk.or.jp/darwin/