「生前葬TV」又吉直樹、間寛平、岩井志麻子インタビュー「綾部とバイクでツーリングしながら生前葬がしたい」
「ウチのワンコを通して生きていることを感じる」(岩井)
――今回番組を通じて、「生と死」に向き合う部分もあると思うんですけど、お三方が「生きててよかった」とか、「生」を感じる瞬間はどんな時でしょうか。
又吉:サッカーをしている時とか、汗をかいている時とか思いますね。逆に危険なのは、「楽しみが何もない」みたいな。「次の楽しみなんやったっけ?」とか考え始めると、生きてる感じがしないですよね。
時間としては、僕は生を感じてない時の方が長いです(笑)。ただ、だからこそたまに「うわ、生きてるぞ俺は」って思えた瞬間に気持ちよかったりすることはありますね。
岩井:私は30代後半から40代の頃、死ぬことがすごい怖かった時期があるんですよ。「このまま目が覚めないんじゃないだろうか、布団に入って目をつぶったら朝が来ないんじゃないだろうか」みたいな。
なので、今でも目が覚めると「ああ、生きてるな」って思うことがありますね。別に生きていることが「うれしい」とか「楽しい」というのではなくて、「ああ生きてるんだなぁ」みたいな。
又吉:生きている限り、「生きていること」が標準というか日常なので、それはわかりますね。だんだん景色見てるだけで、「ああ、何かいいな~」とか思う時ないですか? 僕は昔よりそれが増えてきたんですけど。
岩井:若い時は思わなかった「月がきれい」とかそういうことですよね? 又吉さん、テレビの仕事でうちに来たことがあるんですよね。覚えてらっしゃいますか?
又吉:あります、あります。
岩井:その時、うちにワンコがいたでしょ。もう一匹増えてるんですけど、ワンコって年取るのが早いんですよ。犬種によりますけど、人間の7~8倍くらいなんで12~15歳で寿命が来てしまうんですよね。
それを、「なんて短い生涯なんだ」ってつい見ちゃうんですけど、「短い」じゃないんですよね、彼らはその与えられた生を精一杯というか、充実して生きているので。人間の感覚で短い生涯と思っちゃいけないんですね。
又吉:なるほど。
岩井:だから、「あ、1年で7~8歳年を取るんだ」っていうのを、ワンコを見ていて感じますよね。
又吉:それわかります、だから長さではないんですよね。すごく長く続いている漫画で面白いのもあるけど、3巻ぐらいで終わる漫画でも面白いのがあって、どっちも価値は一緒やっていう。
岩井:あとまあ、寛平さんがそんな長くお話するっていうのをあたし子供のころ想像してなくて。「アヘアヘアヘ」とかそういう方だと(笑)。で、よう考えたら「『アへ』でなんで笑えるんだろう」って思ったけど、めちゃめちゃ笑っちゃうんですよね、「アヘアヘ」で。
又吉:寛平さん登場しただけでね、「アへ」って言ってないのに聞こえますもん(笑)。耳にずっと残っているというか。寛平さんはありますか?
寛平:「生きてるなぁ」っていうの? そんなこと考えてないからなあ。毎日が楽しいっていう。
又吉:毎日楽しいですか? 最高ですね。不安とかないですか?
寛平:全然ないなぁ。みんな何が不安なのかわからへん。本当にそうやもん。
又吉:すごいっす、生きることの能力がほんとに高いです。本当に憧れます。「あれ嫌だな~」とか、焦りとかもないですか?
寛平:全然ない。「まあ何とかなるやろ」って思ってる。
又吉:すごいなぁ。なるほど。常に生きてらっしゃるということなんですね。
3月8日(日)夜8:00-9:00
BS12にて放送
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