窪田正孝、朝ドラは「“プレッシャー”と“ワクワク”でいっぱい」<「エール」インタビュー>
ふみちゃんはすごく臨機応変な対応をするので
――裕一と音の夫婦についてはどう感じますか?
裕一が作曲しているとき、音さんに歌ってもらってヒントを得るという場面があるんです。
同じ“音楽”という世界にはいるけれど、作曲家と声楽家とジャンルは違っていて、お互いにないものを補い合っている関係はすごく理想です。
同業者の夫婦だといろいろ話せることもあるし、理解し合えることもありますよね。そこはすごく強いんじゃないかなと思いながらやっています。
――音はどんな奥さんですか?
音さんはきびきびしていて、裕一が迷ったときは明確に導いてくれるけれど、外では後ろに下がっている。
前に出るときと後ろに下がるときをちゃんとわきまえていて、本当に裕一を支えてくれている奥さんなんですよ。
でも、裕一と音さんは基本常に横に立っていて、手をつなぎ合っているところはいいなと思います。けんかもするんですけどね。
ふみちゃん演じる音さんが怖いので、あまり怒らせちゃいけないな…と思いますけど(笑)。
――二階堂さんの印象を教えてください。共演シーンで感じたことはありますか?
ふみちゃんの女性から見る視点と、僕の男性から見る視点で、台本のとらえ方が違っているのは面白いなと思います。
それに、ふみちゃんはすごく臨機応変な対応をするので、人を立てるのがうまい女優さんだなとすごく感じます。
ふみちゃんと、あと吉田(照幸)監督も瞬発型の人なので、みんなで意見を出し合い…というのはちょっと大げさなんですけど、「こうしたい」「ああしたい」というようなことも、すーって自分の中に入れられるようなそれぞれの瞬発力があるんです。
その後ろに「人に言われたら、自分の持っていたものをこっちに流そう」というようなスペースがちゃんとある、という印象はやっていて思います。
――父・三郎役の唐沢寿明さんは、窪田さんにとって特別な俳優さんだと。今回、改めて共演されていかがですか?
僕が朝ドラの主役をやるということでスケジュールを開けていただき、三郎さんという役をやっていただいたとうかがいまして、本当に感謝しかないです。
今の僕がいるのは、唐沢さんのおかげの部分がすごく大きいです。「THE LAST COP/ラストコップ」(2016年、日本テレビ系)で共演させていただいて、唐沢さんから現場での立ち居振る舞いを学びました。
何よりも役者、俳優部が楽しんでやっている。それがスタッフさんに伝染していくのを見させてもらっていました。
本当に全員が気持ちよくできる現場というのはなかなかないんですが、唐沢さんは常に人のケアをしているので、みんなが気持ち良く取り組めるんです。
今の現場でも唐沢さんがいるときは僕も甘えられますし、あれだけの大御所の方なのに、皆さんも唐沢さんにはちょっとフランクに接することができるというのも、やっぱり人柄なのかなと思います。
ちなみに、「―ラストコップ」のときは義理の父の役だったんですけど、今回は本当の親子になれて、僕の中でまた一つ新しい境地に行ったなという気がしています(笑)。