そうした恋愛系コンテンツブームに乗って、ネット配信系の恋愛ドラマへの関心もかつてないほど高まっている。
スマホやタブレットといったデバイスで視聴するというスタイルから、そもそもネット配信作品は若者によくなじむ。そのため、これまでも若者にフィットする恋愛ドラマが制作されてきた。Amazonプライムビデオでは、2016年にディーン・フジオカ&清野菜名という今では主役級のふたりが出演するオリジナルドラマ「はぴまり~Happy Marriage!?~」が、2017年には山本美月やトリンドル玲奈が出演する「東京アリス」が配信開始されている。
そうした恋愛ドラマ回帰の流れがネット配信ではこの2~3年、急激に加速している。
フジテレビが運営する動画配信サービス・FODでは、2018年頃からオリジナル作品が増加。今をときめく横浜流星が出演する「彼氏をローンで買いました」(2018年配信開始、のちにフジテレビでも放送)をはじめ、「パフェちっく!」(2018年、のちにフジテレビでも放送)、「ブスの瞳に恋してる2019」(2019年、のちにフジテレビでも放送)といった話題作を生み出している。
Twitterのトレンド入りを果たすほど注目を集めているのが、現在AbemaTVで放送中のドラマ「僕だけが17歳の世界で」(毎週木曜夜11:00、AbemaSPECIAL)。17歳のまま亡くなってしまった航太(佐野勇斗)が7年後、24歳に成長した幼なじみ・芽衣(飯豊まりえ)のもとに現れるファンタジー・ラブロマンスだ。
毎週、放送後にはSNSで「今週も泣けた…感情移入しすぎて切ない」「航太と芽衣どっちの気持ちもわかってつらい」といった共感の声が続出し、1話放送からわずか3日で見逃し視聴を含めた総視聴数が100万を突破し、その後も回を追うごとに注目度は右肩上がり。動画配信オリジナル作品ながら地上波ドラマに引けをとらない反響を呼ぶまでに成長している。
実はこの作品、プロデュースはフジテレビ出身で「恋仲」(2015年)、「好きな人がいること」(2016年、ともにフジテレビ系)などの恋愛ドラマを手掛けた藤野良太氏。好調で迎えた3月11日放送の第4話では、「好きな人がいること」にも出演した山崎賢人(※「崎」、正しくは「立さき」)がサプライズ出演し、視聴者からは驚きと歓迎の声が上がった。
若者の恋愛ドラマ離れも語られる一方、ネットでは「オオカミ」、「バチェラー・ジャパン」などの恋愛リアリティーショーだけでなく、恋愛ドラマも着実にファンを増やし、存在感を増している。こうしたネット配信時代ならではの恋愛コンテンツブームの新潮流はまだまだ続きそうだ。
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