無観客でも役者のために「僕らはやるぞ!」<舞台版 誰ガ為のアルケミスト>

2020/03/15 10:00 配信

2.5次元

配信になったからこそ、舞台を見たことがない方々に


「聖石の追憶」の続編となる今回は、原作エピソード「獅子王の進撃編」を舞台版として新解釈、再構成し、「不惑の双刀編」「不憎の呪術編」という展開の異なる2種の公演(2ルート)を回替わりで披露している。

“絶対正義”を掲げるバベル大陸の宗主国・ノーザンブライド。“ロードマスター”が率いるその聖教騎士団と、“獅子王”オライオンが率いる侵略国・グリードダイクの激突を描いた物語。役者たちの熱演がキャラクター性を際立たせ、舞台版“ダガタメ”の世界を見せてくれる。

「役者には脚本から感じたことを出し、キャラに寄せなくていいと言っています。そのほうが絶対魅力的になるし、それが舞台のいいところだと思います」(今泉潤)


「人間のドラマに迫るような、心をえぐられるようなセリフ回し。今回はそういうところに力を入れています。そして、殺陣はいつも通り頑張っています! 見たことがない人はびっくりすると思いますよ。どちらのルートもすごいので、ぜひ両公演見てほしいですね」(今泉)

その言葉通り、全編通して披露される殺陣は圧巻だ。巨大戦斧、槍、双刀などさまざまな武器での剣戟(けんげき)が繰り広げられ、原作衣装に身を包んでのアクションは迫力があり、かつスタイリッシュ。男性キャスト陣の2.5次元ならではの格好良さ、女性キャスト陣のセクシーなスタイルにも目を奪われるところだろう。

魔槍を振るう聖教騎士団・クダンシュタイン(橘龍丸)。“絶対正義”を掲げる主人公だが、その心には闇を抱えている


物語は主演である聖教騎士団・クダンシュタイン(橘龍丸)のある行動によって結末を迎えるが、エピソードはさらに続いていく。

カーテンコールでは、橘が「このような形になりましたが、皆さまの前で思いっきりお芝居ができる。われわれとしてはこれほどありがたいことはありません」と感謝を込めてあいさつ。

「カンパニー一丸となって皆さまにすてきな舞台をお届けできるように頑張ります。今回こうした配信という形になりましたので、周りに舞台をあまり見たことがないというお友達、ご家族がいましたら、一緒に見て、楽しく鑑賞していただけたら幸いです」とメッセージを送り、初日公演の幕を閉じた。

「舞台版 誰ガ為のアルケミスト ~聖ガ剣、十ノ戒~」は3月22日(日)まで、全9公演(「不惑の双刀編」5公演/「不憎の呪術編」4公演)を上演。公演は「ニコニコ生放送」にて電子チケット制で生配信される。

取材・文:鈴木康道