映画通スピードワゴン小沢一敬が語るロマンティック・コメディ『ラブソングができるまで』<ザテレビジョンシネマ部>
──ヒュー・グラントとドリュー・バリモアという主演の二人も良かったですよね。
小沢「うん、チャーミングだよね、二人とも。チャーミングっていうのは、かわいいってことじゃなく、魅力的って意味でね。顔の造形の美しさっていうのもいいけど、やっぱり人間的に魅力的なほうがいいじゃん。笑ってる顔をずっと見てられる二人で、それは顔の作りじゃなくて、表情の良さなんだろうけど。そこが良かった」
──映画の内容はタイトルの通り、1980年代に一世を風靡したバンドの元ボーカルが、たまたま出会った女性と一緒にあるラブソングの作詞作曲をしていくというお話です。
小沢「実はこの作品を選んだ理由のひとつが、俺、歌詞についてずっと考えてることがあって、その話をしたかったからなんだけど」
──どんな話ですか?
小沢「言ってもいい? 俺はさ、音楽が大好きで、子どもの頃から洋楽も聴いてたんだけど、洋楽を聴いてると、いつもアメリカ人とかイギリス人がうらやましくなるのね。というのは、例えばビートルズを聴いても、俺らには歌詞が頭に入ってこないじゃん、英語が分からないから。だけど英語をネイティブで話せたら、メロディと同時に歌詞の意味も入ってくるんだろうなって」
──確かに。われわれは歌詞カードの訳詞を読みながら意味を追わなきゃならないですもんね。
小沢「だから俺は、やっぱり日本の歌が好きで。それは単純に、歌詞の意味が分かるからなんだけど、そんな俺の気持ちを表したようなセリフが、この映画の中に出てきて。それが今回選んだ名セリフなんだ」