中尾が演じる木下藤吉郎は、尾張の貧しい生まれの商人(あきんど)で、一度は今川義元に奉公するが、信長への強い憧れから信長に命がけで近づき、運よく家臣団に加えられた。信長は身分の低い者でも見どころがあれば重用したことで知られるが、藤吉郎はその象徴として描かれ、桶狭間の戦いでは尾張の商人と化して義元の本陣を確かめ、信長の勝利に大きく貢献した人物だ。
中尾は、数々のドラマ・映画で活躍。2019年7~9月に放送された「監察医 朝顔」(フジテレビ系)では、明るく天真らんまんな臨床検査技師を演じた。また、「軍師官兵衛」では竹中演じる秀吉の後を継承する、おいの秀次役を演じている。中尾と海老蔵は、今回が初共演となる。
――今回のお話が来たときの心境。
とにかくやらせてください。その思いだけでした。秀吉様となると…もしかしたら僕ではなかったかもしれませんが、あくまで木下藤吉郎ですからね。たくさんの想像を膨らませて、のちの秀吉様という期待感も持ちながら、全力で演じたいと思います。(竹中のコメントを受けて)竹中さん、そんなこと言うてくださってうれしいです。
――海老蔵演じる“織田信長”について。
すぐ目の前に信長様がいると日々感じています。まさに“殿”という言葉がぴったりで、連絡先を交換させていただいたのですが、電話帳にも“殿”と入れております。しびれるお芝居をすぐ真横で見られることがうれしい限りです。
――読者へメッセージ。
戦国だからこその人々の思いを感じていただけたらなと思います。
信長の父・織田信秀役を務めるのが北村。“うつけ者”と言われた幼き吉法師(信長)に織田家の頭領としての才覚を見いだし、領主としての生き方を伝授する。
今作では、信長に生涯で最も影響を与えた人物として描かれている。
堀田道空は、歴史書にもほとんど記述のない謎の人物。尾張最大の商業港町・津島の頭領であったとも、斎藤道三の重臣であったとも、織田家の家臣であったとも言われています。そんな得たいの知れない人間の大きさ、懐の深さを、竹中さんなら抑えた中にも絶妙のバランスで表現してくださると思いました。
藤吉郎は、この桶狭間の戦いの時点では、まだ織田信長にとって“その他大勢の中の一人”に過ぎないのですが、中尾さんは持ち前の人懐っこい表情の中に、この物乞い同然の暮らしから最後は関白にまで上り詰める異例の大出世を遂げる人物としての、知力、人間力、底知れなさの片りんをひそませて演じてくれています。
北村さんは、わずか1シーンなのですが、小国でありながら“尾張の虎”と恐れられた武将を、強く、恐ろしく、見事に体現してくださいました。信長が追い求めたその背中、常に心にあった父の教えが、少年信長に刻み込まれるシーンは必見です。
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