――撮影中は“異世界”の中にどっぷり浸かっていたような感じだと思いますが、現実世界との切り替えのようなものはどのようにされていましたか?
大谷:どっぷり浸かっていたのかな? (セットは)居酒屋なので…(笑)。でも、物語の終盤で居酒屋にある問題が生じてしまうんです。
裏口から出れば現代の日本には戻れるんですけど、ここで出来た人間関係だったり、自分の料理を愛してくれる人たちがいるから、大将には「この居酒屋を守らなければ」っていう思いがある。
異世界で自分が得たものだったり、役ですけど、すごく周りに助けられて温かな気持ちになったので、撮影が終わった時は、まるでこれまで夢を見ていたかのような感覚でしたね。
いろんな場所で撮影していたらまた違うんですけど、いつもセット裏でみんな待機してて、呼ばれたらセットに入るみたいな感じで、本当にアルバイトの人が店の裏のたまり場にいるような感覚で。
仕事して裏行ってというような感覚だったので、切り替えというか、ここの世界を終える寂しさはあったし。撮影は2019年の12月30日に終わったんですよ。ちょうど年も変わるということで、「ああ、このセットも最後なんだな~」って感じでした。
それからこの作品とお別れして現実世界に戻っていったわけですけど、今となっては懐かしい感じです。異世界の住人を演じた皆さんも、今は各々の作品をやられているんでしょうけど、写真を見ると「元気にしてるかな」って感じになりますね。ちょっと夢物語ではありました。
――そうしたいいチーム感も、作品が進む中で育っていった感じはありましたか?
大谷:皆さんそれぞれキャリアのある方たちですが、異世界の衣装を纏うと普段やられている現代モノの役どころと違う感覚だったんじゃないかなっていうのは思います。
本当に役に扮装するような素敵な衣装だったので、皆さんがその役を楽しまれているのを見ていて羨ましくもありましたね。逆に、引きで撮影する時は、何かミュージカルを見ているような感覚にもなりました(笑)。
中にはひげとか付けていてご飯食べたりするのが大変そうな人もいましたけど、わかりやすく変身できるし、なかなか経験できる扮装ではなかったと思うので。みんな気持ちよく、思い切って役に入っていたように思います。
現場の雰囲気はもう「居酒屋」そのものでした。キャストの皆さん以外にも、常連客役の方もたくさんいらっしゃって、結構ワイワイガヤガヤしている時が多かったので。実際に料理もありましたし、本当に居酒屋にいるような感覚でした。
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