「ジョン王」は、英国史上最も悪評の高いイングランド王・ジョンの時代を描いたウィリアム・シェイクスピアの“問題作”。
故・蜷川幸雄氏の志を継ぎ“蜷川シェイクスピア”を文字通り継承する吉田版「ジョン王」の主人公は、敵対するイギリスとフランスの間を行き来しながら、双方の権力を批判的に見つめるシニカルな若者、私生児フィリップ・ザ・バスタード。
この私生児役を数々の蜷川作品で主役として多くの者を魅了してきた小栗旬が務め、タイトルロールであるイングランド軍のジョン王を横田栄司が演じる予定だった。
このひと月、僕達キャスト、スタッフ、プロデューサー全てのジョン王メンバーはパドックでゲートがオープンする瞬間を待つ競走馬のようでした。
でも今回ゲートは開きませんでした。
そして幾ステージかをやはり中止せざるを得なかった前公演「ヘンリー八世」の雪辱を大いに果たす意気込みだったのですが、それも叶いませんでした。
残念です。
残念ではありますが気を取り直してまた前を向いて準備をします。
必ず近い将来、極近い将来「ジョン王」も「ヘンリー八世」も上演しようと思っています。
又、彩の国さいたま芸術劇場で皆様にお目にかかれる事、楽しみにしております。
それまでどうぞ皆様も、呉々もお元気でお過ごし下さい。
彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督 吉田鋼太郎
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