映画を愛するスピードワゴンの小沢一敬さんならではの「僕が思う、最高にシビれるこの映画の名セリフ」をお届け。第16回は、ゲーム感覚で恋を楽しむ“嘘つき男”が“車椅子の美女”と本気の恋に落ちる大人のラブ・ストーリー、『パリ、嘘つきな恋(2018)』(6月25日(木)夜9:00、WOWOWシネマ)。さて、どんな名セリフが飛び出すか?
──今回は、フランス国内で大ヒットを記録したというラブ・ストーリーをピックアップしていただきました。
小沢「基本、俺は恋愛映画が好きじゃないって言ってきたし、実際あんまり観てこなかったんだけどさ。この映画は恋愛映画ではあるけど、決してそれだけでは終わらない映画で、とても面白かった」
──この主人公のジョスランを演じてるフランク・デュボスクが、監督であり脚本も書いてるらしいですよ。
小沢「えっ、そうなんだ」
──フランスの人気コメディアンらしいです。
小沢「なるほどね。たしかに、適度にいい感じの笑いが入ってるもんね。めちゃくちゃボケまくるとか、お腹抱えて笑っちゃうとか、そういう大爆笑じゃなくて、ニヤリとするような笑いね。小さじ少々ぐらいの割合の、ちょうどいい笑い。だから、最後までニヤニヤしながら楽しんで観られたよ」
──ストーリーもよくできてて、シャレてましたね。
小沢「全部シャレてたね。あまりにスイートすぎると観てて歯がゆくなるけど、この映画は適度なカフェオレみたいな。フランスだけに(笑)。野暮ったくないというかね」
──とても小沢さん好みの映画だったのではないかと。
小沢「そうね。今さ、世の中が自粛中でStay Homeしてる中で、時間があるから家の大掃除をしてるんだ。今の家に引っ越してから5年も経つんだけど、引っ越しのときから開けてない段ボールが30箱ぐらいあってさ(笑)。それをひとつずつ開けて、中にある本を整理してるんだけど、そこから寺山修司の昔の本が出てきて読み返してたら、『わかれは必然的だが、出会いは偶然的である』っていう文章があったのね。つまり、出会うのは偶然だけど、出会ってしまったら別れは必然的に訪れると」
──さすが寺山修司、良いこと言いますね。
小沢「そこから、出会いと別れ、偶然と必然、ということについて考えてるときにちょうどこの映画を観たから、すごく思うところがあってさ。いきなり名セリフの話からしたいんだけど、いいかな?」
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