蒼井優と高橋一生が夫婦役で共演 ドラマ「スパイの妻」が6月に放送決定
蒼井優コメント「『正解は何だろう?』と思いながら演じていました」
この時代の女性を演じるのは今回が初めてだったのですが、思い描いたところに自分が行けているのか、どこか感覚が凝り固まっているのではないか、と常に自分を疑いながらの撮影でした。
また、黒沢監督は、立ち位置と動きを決めてくださって、そこからどうするかは、演じる側の俳優に委ねられるため、終始「正解は何だろう?」と思いながら演じていました。正解を当てに行くというよりは、不正解を知っていくことで役を形作っていくことができたように思います。
高橋一生コメント「安心して刺激的な経験ができた」
監督の世界観は非常に明確でしたので、動きの指示や細かな機微において、提示されたものの中でどれだけの事ができるか、楽しみながら取り組むことができました。特に、この時代の人間を演じるならではの、現代的な口調ではない台詞群を、どう解釈して出力するかという作業は、個人的にも面白い体験でした。
また、撮影終盤には、大掛かりでクラシックなオープンセットを前に、100人以上のエキストラの皆さんが行き交う中で、1カットの非常に長いお芝居をやらせていただきましたが、各部署のスタッフの方々が動いていることを感じてここに参加させていただいていることの感謝と興奮がありました。
そして、蒼井さんはお芝居で会話ができる方なので、とても安心して刺激的な経験ができたと思っています。
黒沢清監督コメント「全てが最高のかたちで結びついた」
過ぎ去った時代がまとう抽象性と、カメラが切り取る生身の人間の実在感とをどうやって両立させるのか、それは最初至難の技に思えました。しかし結果は素晴らしかった。
何より主演俳優二人が渾身の演技でこの時代のリアリティを体現してくれたこと、そして各スタッフたちがそれを支え、超濃密でどこか神秘的な8K映像が見る者をたちまち1940年代の日本へといざなってくれたこと、全てが最高のかたちで結びつきました。このような幸運な経験は、私の長いキャリアの中でも初めてのことです。
6月6日(土)(昼2:00-3:54)
NHK BS8Kにて放送
出演=蒼井優、高橋一生、坂東龍汰、恒松祐里、みのすけ、玄理、東出昌大、笹野 高史
監督=黒沢清
脚本=濱口竜介、野原位、黒沢清
音楽=長岡亮介