魅力は「こんな後輩、いるいる」というリアリティー
2019年~2020年にかけて、伊藤はNHK作品で特に強い印象を残している。まずは2019年夏に放送された「これは経費で落ちません!」(NHK総合)。「いいね!光源氏くん」と同じく、管原浩氏が制作統括を務めたコミカルなドラマだ。
この作品で伊藤は、多部未華子演じる主人公“森若さん”の後輩である経理部員、佐々木真夕を演じた。噂話好きで天真爛漫、時にはツッコミも冴え渡る真夕は、比較的物静かな経理部のムードメーカー的存在。
ごく普通のOLだが、実はヴィジュアル系バンドの追っかけ…という設定も微笑ましく、「こんな後輩、いるいる」と思わせるリアリティーを担っていた。
アニメ「映像研」ではハスキーボイスを活かして主演
特徴的なハスキーボイスを活かしたアニメ出演も話題となった。
脳内の“最強の世界”をアニメーションで表現すべく、“映像研”を立ち上げた高校生たちを描く「映像研には手を出すな!」(2020年、NHK総合)では、声優としてメインキャラクター・浅草みどり役に大抜擢。「四畳半神話大系」「DEVILMAN crybaby」など独自の世界観で魅せる湯浅政明監督の最新作とあって、アニメファンからも大きな注目を集めた作品だ。
“浅草氏”は独特の口調や「ワシ」といった一人称が印象に残るキャラクターだが、伊藤は彼女の魅力を「アニメについて熱く語っているときと、人前に出たときにもじもじしてしまうところのギャップ」と語り、「普段の自分に近いキャラクター」と共感を寄せている(WEBサイト ザテレビジョン 2019年12月26日配信/2020年1月4日配信)。
このような伊藤の深い理解・共感も相まってか、声を吹き込まれた浅草氏はとてもキュートで情熱的、何より人をワクワクさせる存在として現れた。空想と現実が入り乱れる世界に視聴者を誘い、共感させる力は、“ファンタジーをリアルに寄せる力”と言い換えることもできるだろう。
伊藤沙莉Instagram:https://www.instagram.com/itosairi/
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