――畠山の魅力や演じる際に心がけられたことはありますか?
畠山はそもそも事情があって、家業の養蚕をやっているんですよね。やりたいことをやっていたわけではないんですね。昔の農村の中では、変わりたくても変われない事情もあったでしょうし、それでも養蚕業をちゃんと続けている辛抱のある人間なんです。
そういう畠山が浩二と出会い、若者の想いを受け取って、自分の人生を動かしていく姿というのは人間らしいし、魅力的だと思いました。こういう自分の希望と我慢がごちゃ混ぜになっている状況って、現代にも通じるものだと思います。一見、昔の気質の人だと思うかも知れないですが、抱えるものは現代人なので、その辺りを感じてもらえたらな、と思います。
――リハーサルや本番で苦労されたことはありますか?
リハでは手元で蚕の作業をやりながら、福島ことばを使い、気持ちを込めるという3つがありました。養蚕業を指導してくれる先生から「プロみたいだ」と言ってもらえたのはうれしかったですが、それに気を良くしていると、方言がおろそかになっていて、方言を意識すると手元の作業が「あれ?この次なんだっけ?」となっていて。そのバランスを探していたら、「そもそもそんなこと考えてたら気持ち込められてるのか?」とか思ったりして。せりふを言いながら、頭はフル回転でした。あとめちゃくちゃ寒かったです。
浩二は、養蚕農家の畠山を再び訪ねる。畠山は浩二の資料がよく調べられていたと話し、素直な返事をしてくれる。一方、三郎(唐沢寿明)は、浩二に大事な話があると、2人で話をする。そして、裕一は三郎のためにハーモニカを聞かせようとするのだが…。その後、裕一と音は、久しぶりに権藤茂兵衛(風間杜夫)を訪ねるのだった。
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