「第14回 チャイコフスキー国際コンクール」の舞台裏に密着!!
2011年6月14日から7月2日にロシアで行われた、「第14回 チャイコフスキー国際コンクール」に挑んだ若き音楽家たちの舞台裏に密着する「第14回 チャイコフスキー国際コンクール 夢 ―世界に挑む若き音楽家たち―」が7月30日(土)にBSジャパンで放送される。
同コンクールは、1958年に創設され、4年に1度開催されることから、“音楽のオリンピック”とも呼ばれる、世界三大コンクールのひとつである。ピアノ、バイオリン、チェロ、声楽の4部門からなり、1958年に開かれた第1回大会からピアノ部門にヴァン・クライバーン、ウラディミール・アシュケナージ、バイオリン部門にギドン・クレーメルなど伝説のスター達がここから誕生した。日本人では、上原彩子(ピアノ)、諏訪内晶子(バイオリン)、神尾真由子(バイオリン)、佐藤美枝子(声楽)らが優勝者に名を連ねる。勝ち抜くためには、曲の理解力や高度な演奏技術だけでなく、不安やプレッシャーをも吹きとばす精神力や、観衆を魅了するパフォーマーとしての人間的魅力も必要になってくる。世界中の若き音楽家にとっては、まさに夢の舞台となる。
今回で14回目を迎えるにあたり、歴史あるコンクールに変化期が訪れた。まず、組織委員会のトップにロシアが生んだ、世界の巨匠ヴァレリー・ゲルギエフが務めることになった。ゲルギエフ指揮のもと、審査員も教師群から世界のトップクラスの音楽家へと顔ぶれを変え、開催地もモスクワの他にサンクトペテルブルグも加わり2都市での開催に。また、審査方法を一新。応募総数が過去最高の600通にも及ぶ中、厳しいDVD選考でステージに立つことができるのは、各部門ともにこれまでの半数以下である30名たらずとなった。さらに、第2ラウンドのフェーズ2、オーケストラとの演奏という審査が加わり、若い演奏家たちの破格の実力を求められる。
ピアノ部門では、前回大会で3位入賞を果たしたロシアのアレクサンダー・ルビャンツェフ。すでに大手レーベルからCDデビューを果たし、プロとして活躍しているウクライナのアレクサンダー・ロマノフスキー。ロシアの新生ダニール・トリフォノフ。日本人で唯一出場を果たした犬飼新之介など、一流国際コンクールで優勝や上位入賞の経験のある実力派が集まった。予選では優勝候補のアレクサンダー・ルビャンツェフがまさかの落選。ファイナルに残った5人のさらに過酷な時間が始まった。ファイナルでは協奏曲を2曲。課題として夢の舞台で念願のチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番を演奏する。
バイオリン部門の開催地、サンクトペテルブルグでもバイオリニストたちがしのぎを削り、第2ラウンドのフェーズ1では、作られたばかりの新作「stomp」が課題曲に。北アメリカの大衆音楽がベースとなったこの曲で、アメリカ人のナイジェル・アームストロングは、コンクールでは御法度の挑戦にでた。優勝候補、サンクト出身のアイリン・プリッチンは第2ラウンドのフェーズ2の課題“モーツアルトの協奏曲”で苦戦する。
20日間に及ぶ、この過酷なコンクールに挑んだ若き音楽家たちの舞台裏を紹介する。
7月30日(土)夜8.00-9.55 BSジャパンで放送