「芸能界の村社会に身を置くより、ホームレスのおじさんと仲良くなったほうが絶対ためになる」
――「大人の小学校」は、日頃さまざまな業種の方々とお付き合いされている淳さんだからこそ生まれた企画だと思うんですが、他の世界の人たちと交流することの重要性を感じるようになったきっかけはあるんでしょうか。
田村淳:昔、僕のマネージャーが、夏休みに(米カリフォルニア州)シリコンバレーに旅行に行って、帰ってきてしばらくしたら「吉本興業を辞めたい」って言い出したことがあって。僕は、きっとシリコンバレーには人の人生を動かす何かがあるに違いないと思って、「辞めるのはいいけど、俺もシリコンバレーに連れてって」って頼んで、僕もシリコンバレーに行ったんですよ。
そこで、アップルとかグーグル、テスラといった名だたる企業を見学させてもらったときに、それまで僕が知らなかったような働き方やものの考え方を目の当たりにして。そのときに思ったのは、僕は今まで、なんて狭い世界で生きてきたんだろう、と。自分の考え方がいかに小さかったか、限られたエリアの中でしか物事を考えていなかったかってことを痛感したんです。ここから早く抜け出さなきゃダメだと思いました。それ以来、芸能界の人との食事会とか飲み会を極力減らすようにしたんです。
芸能界という村社会に身を置いていると、チームの結束力は強くなるのかもしれないけど、新しいものを生み出すということにおいては、足かせになってしまうんですよね。それよりも、起業家だったり、ホームレスのおじさんだったり、僕が普通に生きてたら絶対に出会わないような、いろんな人と仲良くなって話を聞いたほうが、絶対ためになるし、絶対に面白いんですよ。
――ただ、それぞれが特定の人としか付き合わなくても、それでも世の中は一応回っていますよね。淳さんとしては、そういう仕組みはデメリットが大きいと?
淳:はい。要は、狭い世界って、話し合いが行われても、新しい意見はなかなか取り入れてもらえないんですよ。その世界の中だけで、どうやって出世していこうとか、どうしたら今の地位を守れるかとか、自分のことばかりに考えが持っていかれがちなので。
僕、「池の水ぜんぶ抜く」(テレビ東京系「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」)っていう番組をやってるんですけど、池の水って、手を入れないとどんどん濁っていくんです。まさにそれと同じ現象で、新しい意見とか考え方を取り入れない限りは滞留する一方で、同じ意見だけがぐるぐる回って、濁っていく。そこはすごくデメリットだなって思いますね。同族経営の企業がだんだん少なくなってきてるのも、そういうことなのかなって思うし。
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