続いて「後半戦もまだまだ声出す準備、できてますか~?」という高嶋菜七のシャウトから、「FREEDOM」へ。
女優としての幅広いチャレンジを経て表現力に磨きがかかった“いさき”こと櫻井紗季をはじめ、TPDのラップポテンシャルの高さを見せる曲調のカッコよさもさることながら、バックグラウンド映像も近未来感があり、6人の新衣装とピッタリ合って美しい空間が広がっていた。
さらに、イントロから揺るぎなき“絶対王者感”を出してくる「TIME」。配信ライブなのに画面から飛び出してきそうな躍動感のある速歩き、余計なあおりはなくとも、「付いてきて」と背中で語るかのような職人芸的パフォーマンスを見せれば、浜崎の「ラストスパート、まだまだ盛り上がっていくぞ~!」の絶叫から、「SURVIVAL!!」をこれまたダイナミックな振りとともに繰り広げた。
目の前にお客さんがいないって、演者側もモチベーションを保つのが大変なのだろうなと思いきや、よりよいものを限界を超えて、それこそ全身全霊で伝えるんだという熱気が感じられた。
それは、次の曲に“タオル曲”「Are you with me??」をもってきたことからも明らか。「みんな~、タオル用意してくれたかな~? タオル一緒に振り回そう~!」というSEIRA様からの圧…いや、お言葉もあり、慌てて用意した人も中にはいそうだが、恐らくそれぞれの場所でタオルを振り回したであろうファンと、その思いを受け取ったメンバーの一体感。
そして一体となったところで本編ラストにデビュー曲の「BRAND NEW STORY」を披露した。この曲を聞くといつも感傷に浸りがちだが、小さな悩みなんかもうどうでもいい、この時間がいつまでも続けばいい、という思いがこみ上げたところで本編が終了。
アンコールは、もちろんSHOWROOMならではコメント、ギフトで。コメント欄の一体感もすてきだなあ、と眺めていると、みんな待ってた「Starship Flight」をアンコール1曲目に。焦らすよねえ~。
この歌、歌もそうだけど、振りもめちゃめちゃカッコいい。メンバーが横一列に並んで「パ~パパヤ~」するところとか、いつの間にか一緒に手を動かしていたわ。
あと、TPDの風神雷神こと高嶋&浜崎が歌唱力を見せつける、終盤のツインボーカルも素晴らしい。ノーガードの打ち合いのように力いっぱい声を重ねるというのも攻めるよなあ。聞こえるはずないのに、大歓声と拍手が聞こえてきたもんなあ。
最後のMCでは、ギフトのミラーボールに喜んだり、コメントを読んだりして、「ありがとう!うれしい!」と声をそろえた。
そして高嶋は「今日は久々のライブということで、本当はみんなが一緒に見られていたらアレだったけど、それぞれのおうちでね、新しい形のライブということで。みんなのおうちにコンコン(ノック)って届けたんですけど、気持ちを。届いてますか~?」と問い掛けると、ファンから「届いてるよ!」というコメントのお返しが。
また、「今この状況をいち早く打破して、みんなで楽しいライブをできるように、頑張っていきたいなと思いますので、これからもTPDのことをよろしくお願いいたします!」とあいさつし、「私たち6人とも超超元気なので、まだまだ見ている皆さん、ラスト1曲、私たちと盛り上がってくれますか~!?」と呼び掛け、本当のラストソング「Hey, Girls!」へ。
イントロが流れ、櫻井の「このライブを見てくださっている皆さんに早く会えますように、一緒にこぶしを挙げて、声出して、最後まで楽しんでいってくださ~い!」という言葉から、いよいよ上半期の“パフォーマンス納め”へ。
じょにーのカメラ目線指差しや、脇の満面の笑みでのマイク向け、オチサビマエストロ・浜崎のオチサビに高嶋が呼応するシーン、いさきのぴょんぴょんスマイルに二葉のバキバキダンス、最後は「ありがとう~!」の声とともに曲が終了した。
曲終わりには、左右のカメラ(の先のファン)に向かって全員で感謝の気持ちを伝え、ラストに中央のカメラへ向けて「せーの、はいチーズ!」で終幕。
終わってからも、ファンの感謝の声や興奮の声、ダブルアンコールを待つコメントから「さあ特典会ですね」というお約束の小ボケなどがありつつ、配信が終了した。
ここまで3カ月近くTPDが熱心に取り組んできた、“おうちでパフォーマンスドール“の集大成ともいうべき今回のライブ。
「もう世界は“コロナ以前”には戻れないかもしれない」となどと言われるが、たとえソーシャルディスタンスでも、目の前にいなくても、どんな場所でどんなデバイスで見ていたとしても、こんなにも熱い時間を共有することができることは証明された。
もちろんメンバーだってファンの前でパフォーマンスをしたいはずだし、ファンも気兼ねなく目の前で好きなライブが見られる時代が戻ってくることは切に願うが、この日「NO LIVE, NO TPD.」を配信の形でもまざまざと見せつけてくれた彼女たちに送る“ハート”は、何個あっても足りないくらい。
それこそ、キュンこえてギュンです!
取材・文=蒼野星流
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