岩手・一関を舞台にした映画「もち」公開!佐藤由奈『話しただけでは伝えられない魅力が詰まっています』
佐藤由奈にオファーした経緯を聞かれ、小松真弓監督は「きちんと物おじしないで私の目を見て話してくれて、その上ちょっと反抗的な目が良かったです(笑)」と笑いを誘う。
そして、「心の底から出演してほしいけど、撮影というのは本当に大変だから、誰かに言われたから出るのではなくて、由奈の決断をしてほしい。でもやるとなったら私も絶対に諦めない」と真剣な思いを伝えたという。
それに応えるように、佐藤も「私が主人公だけど、私の周りの一関や本寺の人の温かさを切り取るための作品なので、地域の人たちを伝えられるためになるなら、というところが決め手だったと思います」と明かす。
舞台となった本寺中学校の教師であった畠山育王先生は、「最初は撮影する方々のお世話役程度に思っていたのですが、途中から先生役をやることになってしまいまして。リハーサルやせりふもなしで本番になって、普段の学校でのことをやるしかないかなと思い、少し気楽に撮影に臨めました」と振り返る。
だが、小松監督から「そう言いながらも、セリフを自分で考えて書いてきていましたよね? かしこまり過ぎて、普段の先生の思いが全く出ていなくて。捨てましたけど(笑)」と指摘され、会場を和やかなムードに包んだ。
当日、飛び入り参加した撮影の広川泰士は「撮影してから3年ぶりに一関に来させていただきましたが、とても感慨深いです。同じ場所で四季を通して撮影させていただき、不思議な縁を一関に感じております」とコメント。
「僕自身も今回のような撮影スタイルは初めてで、ぶっつけ本番でやり直しのきかないシーンばかりでしたが、出演されていた方々はとても自然で、緊張感を感じさせず、監督がそれを引き出す力を感じ、僕はカメラの気配をなるべく消すようにしていました」と話す。
及川卓也プロデューサーは「僕自身も一関出身で、準備から今まで長い時間を掛けて今日にいたり、感謝をしなければならない人がたくさんいます。出演の皆さま他、数多くの市民の方にボランティアなどのお手伝いをいただき、本当にありがとうございました」と地元の人たちに感謝。
「出演者の皆さんが自分の気持ちを語る映画になっていて、形としても新しい映画になっていると思います。特に一関の皆さまには思いが一つの形になった作品として愛していただける作品になるといいなと思います」と、地元出身者ならではの思いを伝える。
最後に、佐藤は「話しただけでは伝えられない魅力が映画に詰まっているので、楽しんでいただけたらと思います」、小松監督は「笑顔で皆さんに会えたことが本当にうれしくて、ありがとうございました。皆さんが温かい気持ちになって、寂しいニュースが少なくなるといいなと思います」と締めくくった。
7月4日(土)東京・ユーロスペースにてロードショー
<スタッフ>
監督・脚本:小松真弓
撮影:広川泰士
エグゼクティブプロデューサー:及川卓也
製作:マガジンハウス、TABITOFILMS 協力:JA共済
配給:フィルムランド
<キャスト>
ユナ:佐藤由奈 おじいちゃん:蓬田稔
シホ:佐藤詩萌 タツ兄:佐々木俊 先生:畠山育王ほか
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