<ギルティ>神尾楓珠“寺嶋”の涙が切ない…!壮絶な復讐シーンで見せた確かな表現力
涙のシーンに込められた「寺嶋の葛藤」
一真を破滅させるため、寺嶋は二つの選択肢を用意していた。その場で刺すためのナイフと、一真を社会的に抹殺する目的で金を積んで仕込んだ週刊誌の捏造記事だ。
「生き延びたとしても、どうせ明日にはこの記事出回って社会的に死ぬしね。なぁ、どっちがいい?選べよ、お兄さん」。そう口にする寺嶋の目には、狂気の色が宿る。
そんな寺嶋の心を危ういところで引き戻したのは、爽の言葉だった。「寺嶋くんは、前を向こうとしてたんだよね」「寺嶋くんをこんな風にさせちゃったのは、私のせいでもあるの。ごめんね、一生懸命立ち直ろうとしてたはずなのに…」と泣きながら謝る爽を見て、寺嶋の表情から狂気が消えた。
「やめろ…謝るな…」と子どものように泣きじゃくる寺嶋。その表情には、姉を救えなかった後悔、必死に抱えてきた一真への憎悪に加え、爽の言葉に救われた安堵も浮かんだ。
7話放送前、インタビューで寺嶋について「二面性があるので、感情の切り替えも大変ですし、最近演じた役の中では一番難しい役です」と語っていた神尾。寺嶋というキャラクターの感情が大きく動くこの復讐シーンで、いくつもの感情がないまぜになり葛藤する様子を見事に表現してみせた。
寺嶋の復讐劇はこの7話で一区切り。8話では、秋山の妻・美和子(徳永えり)も巻き込み、爽と瑠衣の戦いが激化していく。
今回の寺嶋役で、ドラマ序盤では“純粋でかわいいバイトくん”を一点の曇りもなく演じ、素性が明かされて以降は狂気と憎しみの表情で視聴者を圧倒した神尾の演技に拍手を送りたい。(文=ザテレビジョンドラマ部)