荒俣宏、岡田健史初主演の時代劇で森川葵ら妖怪キャストに太鼓判！ 「美男美女が一番よく“化ける”」＜大江戸もののけ物語＞
「大江戸もののけ物語」は、人情時代劇、妖怪ファンタジー、バディドラマの要素が組み合わさった新しいスタイルの時代劇。江戸の片隅にある寺子屋で子供たちの世話に手を焼く主人公・一馬(岡田健史)は、気が強くおてんばな生徒のお雛(平尾菜々花)に助けられてやっと授業をするような毎日を送っていた。そんなある日、一馬とお雛が不思議なまが玉に触れると、土器から妖怪・天の邪鬼(本郷奏多)が現れる。すると、お雛は天の邪鬼に「死んだ母に会わせてほしい」と頼む。
猫又や河童といったなじみの妖怪から新種の妖怪まで様々な妖怪が登場するのも本作の見どころ。妖怪監修を務めるのは、幻想文学の巨匠・荒俣宏氏だ。本編終了後には荒俣氏による妖怪講座も用意されている。
本作の監修を引き受けた経緯について、荒俣氏は「私はKADOKAWAの妖怪チームの一員なので(笑)、自動的にそういう役割が回ってきたということです」と説明する。妖怪デザインを担当するのは漫画家の井上淳哉。2005年の大ヒット映画『妖怪大戦争』でチームを組んだ2人が、妖怪ドラマで再び幅広い世代を楽しませる。
荒俣氏によれば、本作の舞台となっている江戸時代の妖怪観は、現代に通ずるものがあるという。かつては非常に霊的で邪悪なものというイメージを持たれていた妖怪だが、「江戸時代になると、そういうイメージは払拭され、捕まえることも、仲良くなることも、霊界探訪のガイド役も、また商売や仕事の手伝いまでさせられる間柄になりました」と荒俣氏。
さらに、「100年に1度くらいは妖怪ブームって来るんです。特に、世の中がピンチに陥るようなときに。このドラマにも未来を予言する妖怪が登場しますが、『妖怪頼み』ってあったんじゃないかと思いますね。今ですと、アマビエを持ってくるのと同じなんです」と、江戸時代に疫病の流行を予言したとされる近頃話題の妖怪についても言及した。
また、本作でメインの妖怪を演じたキャスト陣は、本郷奏多や森川葵、青山美郷らといった美男美女ぞろい。こうした配役について荒俣氏は、「役者さんは美男美女が多くて、一番よく化ける人たちだから当然そうだし、そういうこの世離れした要素を持っている美男美女の方々は適役だったんじゃないかと思います」と感想を語った。
一方、ドラマに登場する妖怪についての印象を荒俣氏に尋ねてみると、中でも天の邪鬼の採用は意外だったそうで、「昔はメジャーな妖怪でしたが、最近の妖怪映画では天の邪鬼はほとんど出てこない。『ゲゲゲの鬼太郎』に出てくるねずみ男同様、人間と妖怪の間の半妖怪っていう立ち位置で、どっちの味方でも敵でもなく相手の心を見透かすこともできて、どっちも信用できない孤独な立場なんですね。隣人に一番いてほしくないようなタイプの面倒くさい妖怪なんです」と語りつつ、「今回久々に登場するので、どういう立ち位置になるのか、そこが興味の焦点です」と見どころをアピール。
そして、最後に荒俣氏は、「妖怪の番組なので、あまりあら探しせず(笑)、半分目をつぶって、江戸時代の子供になった気持ちで楽しんでもらいたいですね。それが妖怪と付き合う一番良い方法だろうと思います。こんなのいないよね、とか思わないで見ると、きっと面白いですよ」と視聴者へメッセージを送った。
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