――小田島のバックボーンを考えたりもしましたか?
塩野:小田島の背景で考えたのは、佐智雄(志尊淳)との関係性です。佐智雄は鳳仙の頭ですが、四天王やスキンヘッド軍団がヨイショをするのは違和感があって。元は佐智雄と四天王も友達同士だったと思うんですよ。
特に小田島はキレたら手が付けられないかもしれませんが、めちゃめちゃ強いというわけじゃないはず。でも、仲間が行きすぎたときに制御できるのが小田島だと思うし、四天王はお互いにもそうで、佐智雄も「お互い制御し合えるがのはコイツらしかいない」ってことで四天王を選んだと思うんですよ。
――そういうことも考えられてたんですね。
塩野:みんなで考えながら作り上げていきましたね。これもカットされてしまいましたが、河川敷の戦いの後、小田島が倒れたままで、仁川を呼んでお姫様抱っこしてもらうというアドリブがあったんですね。
そこでも小田島が倒れたままなのは、やられて動けなくなったわけではなくて、ただ起き上がって歩くのが面倒くさかっただけ(笑)。お姫様抱っこにも、そういう背景を入れ込みたかったんです。
――同世代の俳優仲間が切磋琢磨して作品を高めようとしている中で、塩野さんが自分の強みだなと思うところはどこですか?
塩野:この作品に限って言えば、全体のバランスが見えることかな。たくさんの人がいる中で、誰がどういう立ち位置でいるべきかのビジョンが見える、俯瞰(ふかん)の視点が生かされたと思います。
もちろんバランスを意識せず、「自然に1人の人間として生きていたら、自然とそのキャラクターになっていた」というのが理想とされる現場もあるので、作品によって“脳みそ”を変えて臨んでいます。
――塩野さんにとって、「THE WORST」とはどのような作品だったのでしょうか。
塩野:まずは本当に出演できて良かったし、鳳仙学園の制服を着られたことも含めて夢がかなった作品です。僕もまだまだこれからですが、それでも「もう一度やりたいな」と思える作品でした。
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