同じく第29回、教会で裕一を説得しようとする音の言葉。
一人で東京のレコード会社をいくつも回り、はったりも使って裕一の未来をつかみ取った音。その原動力は、裕一への愛情と尊敬だ。「なんでみんな僕をほっといてくれないんだ」と後ろ向きな裕一に、音は「救われたからよ!励まされたからよ!元気をくれたからよ」と、目に涙をためて訴えた。
純粋に相手の幸せを願うからこその言葉は、相手の心にまっすぐ届く。無言でその場を去った裕一だったが、心の中では音が口にした“自分の人生”という言葉が気にかかっていた。そんな中、8月1日(土)放送の第30回で、裕一は“自分の人生”と“家族の幸せ”についての結論を出す。
こちらは第28回、裕一ではなく音に向けられたメッセージ。裕一を売り込むためのレコード会社回りをひと通り終え、うまくいかなかったと落ち込む音に、母の光子(薬師丸ひろ子)が強い調子で諭した言葉だ。この先も裕一をガッチリ支えていく音だが、その強さは母・光子ゆずりだと確信させられる。
注目したいのは、 “大事な人のため”というフレーズ。本当に底力を発揮できるのは、“自分のため”ではなく“大切な誰かのため”に頑張る時だったりするもの。レコード会社売り込みのくだりは、“大事な人のため”という一心で殻を破った音に共感せずにはいられないエピソードだった。
この先、どんな“エール”が飛び出すか。そんなところにも注目しつつ、2巡目「エール」を楽しみたい。(文=ザテレビジョンドラマ部)
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