上川隆也「撮影に臨める仕事に携わることができる喜びはひとしお」
――2020年の上半期は今までと違う生活を送らざるを得ない状況に陥りました。エンターテインメント業界も大打撃を受けたと思います。
個人的な事情で申し上げるならば、予定されていた舞台が全公演中止になってしまいました。これまでそういう経験がなかったものですから、特に4月・5月は僕にとってかつてない時間を過ごした期間になったと思っています。
――そんな中で「遺留捜査」シリーズの新作に参加。1年ぶりに糸村を演じられましたが、どんな思いで撮影に臨みましたか？
今回の「遺留捜査」の撮影が自粛明けの最初のお仕事。撮影に臨める仕事に携わることができる喜びはひとしおでしたし、自分がやるべきことをやれているといううれしさは何物にも代え難いというような感想でした。
ただ「遺留捜査」は連ドラもSPも毎年夏に撮影をしていたものですから、1年ぶりの糸村が自分にとって急に距離感が空いてしまった存在になったというようなことはなかったんです。
特別捜査対策室の面々と当たり前のように過ごしている糸村に僕自身もすぐに会えたといいますか、またいつもの時間が帰ってきたんだと感じることができました。
――連ドラとSP版でストーリー展開に違いを感じることはありますか？
2時間というSP版だからこそ、連ドラの時の1時間で1エピソードをお届けしている時とは違う、人の思いやつながりといった複雑な部分を、時間を使って濃密に描いていけるメリットは、大きく感じていました。
今回もそうした、割り切れない人の想いが描き込まれているという点では、連ドラとはまた違う色合いを盛り込んだ作品になったと思っています。
――今回も馬のたてがみ、お菓子教室、山科なすetc…、いろんなものに興味を抱く糸村の行動が気になります。
お料理教室で糸村がお菓子を作っているシーンがあります(笑)。久しぶりに糸村が料理をしている姿をご覧いただけると思います。馬が絡んでいるシーンでは、アクティブな糸村が見られるかもしれません(笑)。
一方で、僕自身は糸村という人間は“人との距離感が壊れた男”だと思っているんですけど、今回はあえて物理的な距離をあまり詰めていないんです。
撮影環境をはじめいろいろな事情が絡んでいたということもあって、今までとは違う立ち居振る舞いをしている糸村の姿にも注目していただけたらと思います。
8月9日(日)夜9:00-10:54
テレビ朝日系で放送
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