榮倉奈々、初共演の“夫”菅田将暉を「コミュニケーションがとても上手な人」<映画「糸」連載その4>
平成は世の中がガラッと変わった時代
――この作品は平成元年に生まれた男女の平成最後の年となる2019年までを描いたラブストーリーです。榮倉さんにとって平成とはどんな時代でしたか?
昭和生まれとはいえ、ほとんど平成の記憶です。なので、ほかの時代との比較はできないですが、それこそ分厚いパソコンが今やスマートフォンやタブレット型に進化していますし、テレビも信じられないぐらい薄型になりましたよね。そういう意味では、平成は世の中がガラッと変わった時代だったのかなと思います。
――さらに「糸」では、人生の中のターニングポイントや運命に翻弄されるシーンも描かれた作品でしたが、榮倉さん自身、これまでの人生で運命を感じた出会いはありましたか?
「糸」のスタッフさんたちには長年お世話になっていて、皆さんと初めて出会ったのが、廣木隆一監督の「余命1ヶ月の花嫁」(2009年)という作品でした。そこからのお付き合いで、今でも廣木監督には連絡をしますし、当時のスタッフさんたちが関わられている映画にこうして呼んでいただくこともあるので、「余命1ヶ月の花嫁」は大きな出会いだったと思います。
――作品としても大ヒットしましたね。
ありがたいことです。でも、当時は自分が必死すぎてそういうことを考えられなかったです。今でも「あのときはああだったね」というお話をしてくださるのですが、自分としては記憶があいまいで(笑)。でも、皆さんと出会えたこと、今もつながっていられることは本当に幸せだと思います。
――最後に、映画「糸」の見どころを教えてください。
完成した映画を見て、とても複雑な人生の物語だなと感じました。中島みゆきさんの「糸」という歌の複雑さが丁寧に描かれている映画だと思いました。それは登場人物たちの人生が丁寧に描かれているからで、幅広い世代の方に共感してもらえる作品になっていると思います。ぜひたくさんの方に見ていただけるとうれしいです。
えいくら・なな=1988年2月12日生まれ、鹿児島県出身。A型。ことし10月放送予定のスペシャルドラマ「東京タラレバ娘2020」(日本テレビ系)に出演