山本美月、理想を追う女性を演じ「守る人がいると自分がちょっと強くなれる」<映画「糸」連載6>
極度の人見知りだった幼少期
――「糸」は主人公たちの運命的な愛を描いた作品ですが、山本さんはこれまでの人生で運命を感じた出会いはありましたか?
これまでに出演させていただいたどの作品にも思い入れがあるんですけど、運命という意味では「桐島、部活やめるってよ」(2012年)という映画との出合いが大きかったと思います。そこで初めてちゃんとしたお芝居をさせていただいたので、特に記憶に残っています。最近では「ランチ合コン探偵~恋とグルメと謎解きと~」(2020年日本テレビ系)かな。初めて地上波の連続ドラマで主演をさせていただいて、すごく大変でしたが、勉強になりました。
――自らの人生を変えた“運命的なできごと”という意味では、何かありますか?
小学5、6年の頃から地元の福岡でモデル事務所に所属していたんですけど、そこのモデル事務所にスカウトされたのが、このお仕事を始めるきっかけでした。なので、それが私の人生を変えた“運命的なできごと”だったと思います。
私はもともと人前が嫌いで、極度の人見知りだったので、母親がそれを直そうとして事務所に入れたんですけど、それがなかったら今の私はなかったかも。そういう意味では、母にも感謝ですね。
――最後に、映画「糸」の見どころを教えてください。
完成した作品を見て、私はとても男性的なお話だなと思いました。というのも、女性よりも男性の方が想いをずっと持ち続けているイメージがあって。例えば、恋人と別れたとしても、女性は意外とさっぱりしているじゃないですか(笑)。もちろん、この映画では葵と漣のどちらも互いを想い続けていますが、その捉え方がすごく男性的だなと。なので、もしかしたら女性よりも男性の方が共感しやすい物語なのかなと思いました。ラブストーリーは女性のものという印象がある方もいると思いますが、女性はもちろん男性の方も劇場で楽しんでいただきたいです。
やまもと・みづき=1991年7月18日生まれ、福岡県出身。ドラマ「ランチ合コン探偵~恋とグルメと謎解きと~」(2020年日本テレビ系)で主演を務めるほか、12月11日(金)公開予定の映画「新解釈・三國志」にも出演
取材・文=馬場英美