UFC最新大会、メインは「ミオシッチvsコーミエ Vol.3」! 完全決着戦のゆくえを“世界のTK”が展望

2020/08/15 22:06 配信

芸能一般

WOWOWライブでは、 アメリカ・ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて開催される「UFC252」の模様を、8月16日(日)朝11:00より生中継する。

新型コロナウイルスの感染対策として無観客にて開催される今大会。メインイベントは、スティーペ・ミオシッチとダニエル・コーミエによるヘビー級タイトルマッチだ。

両者はこれまで2度タイトルを懸けて戦い1勝1敗。今回が決着戦となる注目の一戦の見どころを、WOWOW「UFC-究極格闘技-」の解説者としても知られる“世界のTK”高阪剛に語ってもらった。

過去2戦を分析し見えてきたのは二人の“弱点”!?


王者・ミオシッチと挑戦者・コーミエによる3度目のヘビー級タイトルマッチは大注目! 「UFC252」がWOWOWライブにて8月16日(日)放送Getty Images


――王者ミオシッチvs挑戦者コーミエのヘビー級タイトル戦は、1年ぶりの再戦となります。ミオシッチにとっては3試合連続でコーミエ戦です。

高阪剛:これはやりにくいでしょうね。お互いに手の内がわかった上で、勝つための戦略を練らなければならないわけですから。

今回、改めてミオシッチvsコーミエの1試合目と2試合目を見てみましたが、この2試合は“未知の部分”があったからこその展開になっている。例えば1試合目の時、コーミエは序盤、ミオシッチの打撃を過剰に警戒していたように見えたんです。

――ミオシッチはそれまで、マーク・ハント、ファブリシオ・ヴェウドゥム、アリスター・オーフレイム、ジュニオール・ドス・サントスといったそうそうたるヘビー級の猛者をKOしています。

高阪:だからコーミエは“打撃を食らうのは嫌だ”という意識が先行して、体を横に向けて顔を背けるようなシーンが何回かあったんです。

でも、何度かクリーンヒットではないパンチを受けてから、“そこまで恐れるほどじゃない”と感じたんじゃないかと思うんです。これは超一流であるコーミエレベルでの話ですが。

――これまで戦ってきた相手と比べて、飛び抜けてパンチが強いわけじゃないぞ、と。

高阪:それをコーミエが感じて、思い切って前に出てクリンチが組めてからアッパーを入れたら、ミオシッチが少し嫌がったので。そこからペースを握りだしたんです。

そもそもコーミエって顔面が打たれ強いので、ミオシッチの方からすると、「これだけ打撃でプレッシャーをかけているのに、なんでこいつは怯まないんだ?」という感じだったと思うんです。そしてクリンチを対処している時、至近距離の右フックをもらってしまいKOされてしまった。

【写真を見る】UFC226で行われた第1戦では、ダニエル・コーミエが王座を奪取!Getty Images


――コーミエが王座奪取したのが1試合目でした。

高阪:そして再戦となる2試合目は、コーミエが最初から打撃を恐れずミオシッチの顔面を狙いにいって。チャンスがあったらテイクダウンを狙いにいくという展開で正直、余裕がありましたよね。

ところが3ラウンドに一回、ミオシッチの前蹴りが入ってコーミエの動きが一瞬止まったんです。そこから今度はミオシッチの方が、「コーミエは顔面は怖がらないけど、腹に穴があるんじゃないか?」と悟ったんじゃないかな。そこからボディを執拗に攻撃して、4ラウンド目はほぼボディ狙いで。そこから打撃で畳み掛けましたね。

――逆転TKO勝ちで王座を奪回しました。

高阪:なので2試合を並べてみると、どちらも最初に劣勢だった方が、試合中に活路を見出して逆転勝ちしているんです。これなんか、手の内が完全にわかっていないからこその試合展開だったと思うんです。