――この作品への出演はオーディションで決まったんですね。
はい。監督が外山さん、プロデューサーが新世界合同会社の豊原さんと小泉さん、相手役が村上虹郎さんというのはオーディションを受ける段階で決まっていました。
信頼できる方たちが集まった作品だなって思いましたので、「絶対にやる!」という気持ちで挑みました。
――真剣に「この役を取りにいくぞ」という。
はい(笑)。オーディションでは、村上さんを相手にお芝居をさせてもらいました。
“はじめまして”だったんですけど、お芝居が始まった瞬間に“うそがつけない”空間になったんです。
気持ちが引き締まって、“村上さんとのお芝居の中では絶対にうそはつきたくない。本当の気持ちから出てきた言葉を発したい”って。
オーディションなんですけど、その時のお芝居が純粋に楽しかったので、帰り道も「楽しかった!」って思い返しながら歩いていました(笑)。
なので、受かったという知らせを聞いた時はすごくうれしかったですし、必然的にこの役を頂けたんだなって思いました。「絶対にやりたい!」という気持ちも伝わったのかなぁって(笑)。
――プロデューサーとしての豊原さんと小泉さんはどうでしたか?
ずっと現場にもいてくださって、一緒に闘っているような感じでした。「ああしたらいい」とか「こんなふうにした方がいい」とか、具対的に言葉で伝えるということは特にありませんでしたけど、静かにそばで見ていてくれるというか、見守っていただけているだけで安心感がありました。
役者としていろんな経験をされてきて、私たち後輩に役者として思いきり自由に表現できる場所を、環境を作ってくださったんだなって。
――外山監督は?
監督は“タカラ”と“翔太”という二人のどちらも持ち合わせているような存在だったので、現場で事細かに指示するというのではなくて、一緒に感情移入してくださっていた感じでした。
魂を感じるというか、“死ぬ気でやる!”という気持ちで臨んでいらして、その監督の熱量は現場でも感じていましたし、私も同じ気持ちだったので、ずっと切磋琢磨していたような気がします。
――大半が“翔太”を演じる村上さんとのシーンですが、共演してみての印象は?
村上さんとは、撮影中も撮影の合間もほとんど会話もなくて、プライベートな話もしてないので、どういう人なのか今でも分からないところがあります。
――あえて“翔太”と“タカラ”として接していた、と。
そうですね。その二人の距離感を作っていたという感じはあったと思います。村上さんの眼は宇宙みたいでした。
無垢で、真っすぐで、それでいてちょっと怖くて。同じ景色を見ていても、たぶんみんなとは違う景色が見えているんだろうなって。
でも、包容力というか、そこはかとない愛というか、誰に対しても愛を向けているのをお芝居の中で見えたのが、私の中ではうれしいことでした。
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