後半では「CATCH!!」(椅子を用いたダンスに目を奪われた)、「逆光×礼賛」など特に人気の高いナンバーが次々と登場。
本編ラストは、これもおなじみの「RAISE YOUR HANDS」だった。腕を伸ばして上下する振り付けを、たぶん視聴者も画面のTPDと一緒になって行ったに違いない。
そしてTPDの視線の向こうには、新型コロナウイルスの不気味な傘が世界を覆うまでのコンサートではごく当たり前の情景だった、コールを入れ、フリコピし、熱狂的な声援を送るファンの姿が映っていたのではないか。会いたくても思うように会えないじれったさは、ファンもパフォーマーも同じなのだ。
アンコールは「Glitter」。2017年9月に出たミニアルバム『Summer Glitter』に収められていた爽やかなナンバーだ。
浮き輪や、スイカをかたどったビーチボールなども小道具として使ったパフォーマンスは、出歩いたりしゃべったりもままないうち妙な湿気だけを残して去ってしまった2020年の夏へのレクイエムにも感じられた。
プレミアムチケット購入者はさらに、「DREAMIN’」(ファンのリクエストで決定)、「Glowing」を楽しむことができた。
素晴らしい、ひたすら惹きこまれる90分だった。6月に行われた第1回「ダンスサミット2020 ~NO LIVE, NO TPD.~」を見たときは、TPDの持つ慎重でシャイな一面が出過ぎたのか、着火しきれずに終わったような印象を個人的には受けたのだが、今回の彼女たちは違った。
1回目終了後、配信カメラと自らの関係性、および自らと視聴者の関係性を考え直し、それを舞台での動きに反映させた(スタッフも含めての)努力と前進の結果が、この入魂の無観客ライブを生んだのか。
10月15日(木)開催の「東京パフォーマンスドール ダンスサミット2020 ~NO LIVE, NO TPD.~ Ver.3.0」が、ますます楽しみになってきた。
また、11月18日(水)には、グループ誕生30周年記念アルバム『20 BEATS 20 TALES』がリリースされる。
30周年特設サイトで募集したリクエスト投票から20曲を厳選、篠原涼子も在籍していた先代TPDと、2013年から活動中の新生TPDの楽曲がノンストップミックスで収録されるという豪華版だ。
元リーダー木原さとみら先代TPDメンバーと新生TPDのコラボレーションが実現したリアレンジ曲や、未発表の新曲も収録されるという。
やっぱりTPDはいつも“その先”を楽しみにしてくれる。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)