――今回の映画ではいろいろな料理が出てきますね。
松本:おいしい料理を作って下さるので、スタジオは毎日すごく良いにおいがしていました。
奈緒:本当においしかったので、家に持ち帰った日もありました。茶碗蒸しが一番好きで、実は中身がプリンなんですけど、二人で食べたプリンが思い出の味(笑)。
あと、野江ちゃん用に作ってもらったお弁当はそのまま家に持ち帰って「現場でこういう料理を食べてる」って母と一緒に頂きました。
――作品の中で澪が関東の味に苦労する場面がありますが、東京に来て味の違いに戸惑った経験はありますか?
奈緒:私はすごく感じました。一人暮らしで料理を始めた時に家の味にならなくて、おしょうゆが違ったことが分かってからは実家で買うようにしています。少し甘いんですよね。関東の方は苦手かもしれないんですけど、私はその味に慣れてしまっているので、いまだに調味料は九州のものを使っています。
――好きな食べ物を教えて下さい。
奈緒:私はカレーが好きです。スパイスが入っているので力が湧いてきますし、はずれがない。むしろ、おいしくないものはカレーじゃないので。それぐらい、カレーを食べれば元気になります。
松本:私はサツマイモ。幸せな気持ちになる。誕生日プレゼントで友達が干しイモをくれたこともありました。
――人との絆を感じる作品です。自粛を求められ、人に会いにくい世の中ですが、公開するにあたってどんなふうに見てほしいですか?
松本:会えない分、人とのつながりが強くなっていくこともあるのかなということを、私はこの役を通じて感じました。
なので、会えない間、相手のことを思っている時間をすごく大切にしてほしいし、難しいけどそういう時間があればあるほど絆は強くなっていくと思います。絶対に無駄じゃないので、自分の時間を大切に今を生きてほしいです。
奈緒:私自身も自粛中そうだったんですけど、会っていない時間でもその人が今頑張っているかなとか、自分の中にその人の存在があるっていうことが、自分のことを強くしてくれる瞬間ってあると思うんですよ。
だから、誰かを気にすることってすてきだなって思いますし、気にし合える関係というのはこれからも大切にしていきたいです。この映画がこの時期に公開されるのは、偶然なようで必然だったのかもしれません。
皆さまも大切な人と見に来られなくても、連絡をするきっかけに少しでもなっていただけたらと思います。
※高田郁の高は正しくは「はしご高」
取材・文・撮影(インタビュー)=永田正雄
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