まず密着するのは、風力発電のための風車に取り付ける、ブレードと呼ばれる羽根の輸送。1枚42mにもなるブレードを、福島の港から山形との県境にある山の頂上まで運ぶ。
完成したばかりの鉄道車両が、夜遅く、トレーラーに乗せられて公道を運ばれている映像を見たことがある人も多いだろう。けれども、このブレードを運搬する際の迫力はそんなものではない。鉄道車両は、トレーラーに乗せると全長27mになるのに対し、ブレードは50mにもなるという。暗い道の真ん中に白いブレードがどっしりと横たわっている様子は圧巻。こんな大きなものを運び屋たちは操り、遠くまで運んでいく。
ブレードを乗せた長いトレーラーは、交差点を曲がり、信号の下をスレスレで通り、高さがギリギリのトンネルもくぐり抜ける。見ているだけでスリルがあり、作業員たちの緊張感も伝わってくる。さらに、狭い山道を越えて行かなければならないが、ここで超かっこいい、見たことのない車が登場する。タイヤの数から一目瞭然のその頼もしさに、小さな男の子でなくとも興奮するはず。ところがその後、作業員が「気が遠くなる…」と、こぼすほどの“自然”が行く手を阻む。
また、驚くべきは、彼らは“目的地まで運んで終わり”ではないということ。到着後、運び屋が、運搬にかかる3日間の中で「一番怖い」と語るゴールが待ち受けていた。
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