草彅剛『読んだときに涙があふれてきて』「ミッドナイトスワン」で見えた“新しい世界”
9月25日に公開された映画「ミッドナイトスワン」で、心身に葛藤を抱えるトランスジェンダー役を演じた草彅剛。ヒットドラマ「全裸監督」(2019年、Netflix)で話題を集めた内田英治監督のオリジナル脚本に惚れ込み、彼自身が出演を熱望したという。本作で母親に捨てられた親戚の少女・一果(服部樹咲)を引き取り、共同生活を送るうちに母性が目覚めていくという難しい役どころを演じている。
――見た目の役作りとして、準備されたこと、苦労したことはありますか?
メイクさんがうまくて、衣裳さんが上手に着させてくれて。衣裳合わせのときから「これいけるんじゃないかな!」と思わせてくれたので、僕としては何もやっていないんです。最後の方は少し絞りましたかね。でもそんなに夜、食べなかったりとか、お酒を飲まなかったりとか。2日間ぐらいだけです。
――話し方や所作もとてもナチュラルでした。
あんまりやり過ぎたらこういうものってちょっと臭くなるなとは思ってました。事前に渡された資料を見たり、実際にトランスジェンダーの方にも何人か会ったりしたんですけど、いろんな方がいらっしゃるでしょう。それはそうですよね。人ですから。僕自身でいいんだなと思って、ヘンに女っぽくしないでいいなとは思ってました。
――今作にはバレエやダンスシーンが多く出てきます。一果とのつながりとも大きく関係していますが、踊るシーンで気をつけたことはありますか?
冒頭のステージで凪沙が踊るシーンは、僕はバレエをやったことなかったので、単純に足が痛くてね。底が薄いシューズで踊るので。ダンサー役のみんなで結構練習しましたよ。撮影の合間も、みんながそろっているときは、裏で違うシーンを撮ってるときにやったりとか。楽しくできたんですけど、ひとり間違っちゃうと、もう一回みたいになっちゃうから緊張してやったかな。
――チュチュを着た感想は?
素材が堅くて、ちょっと刺さる!みたいな感じ(笑)。
――似合ってらっしゃいましたよ。背中がとてもきれいでした。バレエはこの作品のキーポイントですね。
そうですね。凪沙が一果にどんどん感情移入していくのもバレエがきっかけ。でも一果は本当にバレエが上手だったので、すごいなと思って。エネルギーがあってね。一果がバレエを踊ると、一瞬にしてその場の空気を変えてしまう。公園で一果と凪沙が踊るシーンもあるんだけど、それもすごい気に入ってます。好きなんだろうね、凪沙はバレエを踊る一果のことが。バレエがあることによって、母性が目覚めてきたっていうのはあったかな。撮影しながら、自然に一果と距離を縮めていけました。
――公園で踊るシーンは、流れるように二人の心が近寄っていって素敵でした。
とてもナチュラルにね。一果役の樹咲ちゃんは今回が初めての演技なんですよ。監督にすごく演技指導をされていて、見ていてすごく大変そうでしたね。僕はあんまり監督と話さなかったし、演技については監督は何も話してなかったので、あ、このままいけばいいんだなと思ってやっていたんですけど、
9月25日(金)全国公開
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【URL】https://thetv.jp/feature/okiraku/